ドックマッサージとは。 コンバーターガールズ
ドックマッサージをするアイドル
「ねえ、君の犬、疲れていない。ドックマッサージをするから」
「なんで」
「だって、犬も人間と同じように疲れるでしょう」
「そうだけど。ちょっとアクセスしてみる」
「前足が疲れていて痛いみたい」
「じゃあ、マッサージをするから」
ドックマッサージは犬との信頼関係がないとできない。
そもそも人間関係でも信頼関係を作るのは難しいと言われる。
犬には挨拶と言う概念がないから餌で餌付けをする以外方法はない。
「おいで」
ドックフードを指につかむ。
「ほら。いいこ。いいこ」
犬がドックフードを食べる。そして横方向から犬の視線に手の平が見えるように顔やあごなどをなぜる。
なぜられたらしめたもんだ。
犬もストレスを感じることがある。一歳で成犬になる。
知能は一歳児レベルと考えてもいいだろう。
犬の脳の臨界点は何歳なのか、育った環境で違うし躾の仕方でも違う。
「お客さん、すごく凝っていますね」
これは人間にしか通用しない言葉。
たとえば、ありふれた名前、ポチという名の犬がいたとする。
「ポチ」
優しい口調で言う。犬は自分の名前を知っているが、自分の名前を言われる場合は叱られるものだと思っている。
「よしよし」
顎をなぜる。そして顔をなぜ、最後には頭をなぜる。
そして背中を撫ぜ、肉球が疲れているから軽くつまむ。
ドックマッサージなんて三十分で百円というサービス。手元には宣伝費などをいれると三十分で五十円しか収入がない。そして、頭を撫ぜ、犬にマッサージをして、そして、ユニットが集合してから公園で魅了ライブを行う。
作品名:ドックマッサージとは。 コンバーターガールズ 作家名:AkiNagasawa