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世紀末の生き方 「旅支度」 その一

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世紀末の生き方

「旅支度」その一


ゾンビアポカリプス、核戦争後、砂漠化、その他…
どんな世紀末でも旅は付き物だ。理由は様々で、コミュニティに閉塞感を感じた若者が、
新たな出会いや仕事を求め運命を開くため。
窃盗や食い逃げ、詐欺などの犯罪者が安息の地を求めたため。
そして突然発生した地震や火災、反重力場、といった災害からひたすら逃げるため。
つまり確立的には、まるでスラムに歩いたらこそ泥と出会うくらいあるってことだ。

旅をしていく内に、刺激を求める定住者が面白い旅はないかと質問するが、それはない。

面白い事に出くわした人間は知っているが、
大体は物言わぬ死体になっている。つまりそういうことだな。

大丈夫。旅をすることは難しいことじゃない、
当たり前のことを実行し安全に帰ってくる。シンプルな話だ。


まずは準備、これが大事。何か忘れでもしたら一週間かけてでも町に戻ってやり直しだ。

まずは救急キットという名の文房具キットだ。救急と名の付く物はもはや貴重すぎて通貨になっている。
だから文具の出番だ。
ホッチキス、こいつは便利で人気商品。紙を挟むんじゃない、皮膚を挟むんだ。
旅をしてると、岩やら草やらミュータントやらで切り傷を負ってしまう。
そんな時に便利なのがこれだ。皮膚を長時間繋ぎ、傷が直るまでを十分に維持してくれる。
しかも針を再利用できるおまけつきだ。
ボンド、こいつも便利だ。
ホッチキスでとめた傷に塗ることで、皮膚の接合力を強化し、より直りが早くなる。
他にもボンドを使って葉を繋ぎ合わせることで、簡単なカモフラージュマントの完成だ。
そして動物の体から原料が取れるから切れる心配もない。
後は鉛筆削り、こいつは小さいくせにパワフルだ。
木の枝を突っ込んで削るだけで即席の矢の完成だ。
矢があるってことは攻撃に使えるし、トラップとしても使える。

次に中華鍋。少々重いが必需品だ。
移動時はこいつを帽子のように被る事で、雨や雹といった物や
岩や銃弾の破片といった致命傷になりうる物から頭を防いでくれる。
食料の確保にも一役買ってくれる。
例えば逆さまにした中華鍋に、細いつっかえ棒を入れて地面に立たせる様にする。
そうすることで、鳥やウサギがつっかえ棒に触れた瞬間に、中華鍋が倒れて捕まえられるっていう寸法だ。
おっと言い忘れてた。料理にも使えるぞ。