Twinkle Tremble Tinseltown 11
愛する男に言われて自覚する。彼の窒息しかけたような顔に、落ち着かない猫のような女の顔に囚われてしまう。それは良くないことだと、彼女はちゃんと知っていた。
とりあえず定例会議について集中しなければ。できるだろうか。そう自らに問いかけ、ブランチは頷いた。持ち込まれた原稿を出版へこぎ着けるため、全力を尽くすのだ。
目の前にあるものだけをじっと見つめていれば、全ては上手く行く。軽くなった鞄の代わりに、自らを導いてきた信条をその日も彼女はしっかりと握りしめた。
作品名:Twinkle Tremble Tinseltown 11 作家名:セールス・マン