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でんでろ3
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師走の青い鳥(ロングバージョン)

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<9>


 夢を見ていた。真夏、西日の当たる部屋は暑い。やがて西日は夕日へと変わるのだが、暑さは、なぜか増していく。我慢できないほどだ?
 ここで、ふと思い出す。俺は昼寝をしていた。そして、今は冬。では、この暑さは何だ? 何だ? この、身の危険を感じるほどの暑さは?
 ここで、俺は、ガバッと起きた。暑い。夢じゃない。そして、夕日色。違う。炎だ。部屋が火の海だ。俺の周りはまだ燃えていないが、まずいことに、入り口のドア付近が、一番激しく燃えている。これでは、あそこからは、脱出できそうにない。
 幸い窓際で寝ていたので、窓には簡単に到達できた。窓を開ける。しかし、ベランダはない。脱出器具なんてなおさらない。飛び降りるには高すぎる。下を見る。たくさんの野次馬がいた。
「助けてくれーーー!」
力の限り叫んでみる。
「コー介ーーー!」
「コーちゃーーーん!」
タバコ屋の親父と定食屋のおばちゃんがいた。そして、
「こここ、こ、こ、コー介ーーーーー!」
お前、実は、鶏だったのか? 青い鳥もいる。
「おい、鳥ーーー! お前、本当は『幸せの青い鳥』なんだろーーー! 実は、俺の前に現れたのは、このピンチから、俺を救うためで、魔法か、超能力で、ちょちょいと俺を救ってくれるんだろーーー! なぁ、頼むよーーー!」
「コー介ーーー! お前、なんで、火事になったかとか考えないのかーーー!」
「んなぁ、こたぁ、いいから、助けろ、バカ!」
 青い鳥は、1,2秒、下を向いて、固まっていただろうか? 突如、定食屋のおばちゃんの持っていた水の入っていたバケツを奪い取ると、頭から水を被った。
「行ったらー! こんボケー!」
 青い鳥は、アパートの1階入り口に突進した。