『 たいぺん!遺伝子に対抗する世界に気付いた話 』
俺は、悪夢から目を覚まし、冷蔵庫の麦茶を飲んだ。
確かに全ては、遺伝らしいが、俺は戦った。
それからテレビを付けると、俺の星座がランキング最下位だった。
見た時に限って、ランキングは低い。
俺は凹んで、ネット検索欄に「星座」と入れた。
すると、8,200万件もヒットがあり、さらに凹んだ。
そんなにも星座について考える人がいるなら、本当なのかもしれないからだ。
しばらく俺は、星座について研究することにした。
会社へは休職届を出した。最近のたいぺん過ぎる話に疲れ切っていたからだ。
そもそも、俺のような性格は、会社と仕事に向いていない。
星座の研究は2日で飽き、俺の研究ネタは“総合力”になった。
現在、そのことでレポートを書ける奴は、ゲーム作りをしている奴らしか居ない。
俺は大急ぎで、効率良く、占いとゲームの関連性について調べた。
結論が出たのは4日目で、つまり人は5つ~6つの要素で構成されているようである。
その要素の一つが、星座らしい。12色の神が生まれた時から、組み込まれているんだ。
人の上限が5であるならば、遺伝子とその構成要素を合わせた合計が10ということにする。何も遺伝子のみで諦めるべきことなど何も無いんだ。
俺は遺伝子を何十項目にも分析したキットの広告を見て、溜息を付いた。
もし俺が中学生だったらなぁ。
それからテレビを付けると、スポーツ選手が跳んでいた。
スポーツ選手の顔は、4種類くらいしかないような気がした。
4年間で20億円の契約を結んだ選手のニュースを見て、さらに凹んだ。
さっき出した結論に自信が無くなり、新種の万能細胞は本当にあったのではないかと思った。
金と運の無いところにしか遺伝子は無いのだ。
6日間が過ぎ、俺はたいぺんな事実を把握した。
1日は24時間ある。
日常の中にも、普段気付かないような発見があるはずですよ。
全てが終わった後に、占いは気付くんだ。
それで俺は、テレビを消した。
作品名:『 たいぺん!遺伝子に対抗する世界に気付いた話 』 作家名:みゅーずりん仮名