小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
月とコンビニ
月とコンビニ
novelistID. 53800
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

戯言

INDEX|1ページ/1ページ|

 
戯言

【著】山田直人
○男
○少女

男は客を呼ぶ、少女は座って男を眺めている。
有象無象が男と少女の前を通り過ぎていく。

男  やあ、皆の衆。ごきげんよかろう、よろしかろう!
   よろしい、よろしい。すっかり冬だな。
   マッチを擦るには、いい日になる。
   あたたかな部屋の中で、あたたかな家族と共に、
   あたたかなスウプを掬って、あたたかな言葉をかけると、
   いい日だ、いい日。すっかり冬だな。
   さてはて、やあやあ、皆の衆。
   今宵に御見せしまするは、私の芸の究極の、されども見せるには足りぬ、
   中途半端に究極の、つまらぬ芸にてございます。
   もとより男というものは、何かを成さねばならぬのと、
   世迷いごとを言われます、が、今宵に私が成します事は、
   粉雪染めるようにして、なんにも起きぬそんなこと。
   いい日だ、いい日、あゝいい日。
   売れぬ役者の戯言を、其の両耳の内に蔓延らせ、
   見せるに堪えぬ私の芸を、其の眼を以ってご覧あれ!
男は懐からリボルバーを取り出してシリンダーを適当に回転させると、ハンマーを起こし自身のこめかみにあてる。うつ。
少女はしばらく男だったものを眺めると、そばに寄り頬にくちづけをする。
少女は嬉しそうにハケ。
終わり
作品名:戯言 作家名:月とコンビニ