言の寺 其の弐
blue bloom blues
青空に擬態したカタツムリ
金属光沢にさえ似た滑り
きっと元素記号はコバルト
汚泥を這う
暗黒じみた群雲
瞑い雨
鍼の先端部に似た 異臭
非合法の廃棄物が
惑星にトドメを刺そうとしている
カタツムリが擬態すべき空
もはや 無い
冷雨が地面撃ち
強酸の煙を朦朦と舞い上げている
絶望には
悲しみという感情すら
存在する余地はない
涙の塩分で自殺する試み
カタツムリは唄う
触覚をミョンミョンと振り回し
怒りに近しい感情を
マイナーコードに乗っけて
唄っているのです
そう遠くない
この星の何処かで