『 宇宙空間 』
もう溶けてしまいそう。
熱くて熱くて、目が回るの。
学生服の男の子がやって来て、蹴飛ばした。
痛い、何するのよ。
お人形を抱えた女の子がやって来て、ばんばん叩いた。
私、叩かれるために存在している訳じゃないの。
俺達が溶けたら、どうしてくれるんだよ。
重なりながらチョコレート達が言った。
宇宙空間に、ショベルカーが降りる。
流れは変えられない。
右回りの軌道だけが、空間を牛耳っている。
腕の良い店員だけが宇宙を壊せるの。
決して貴方じゃないのよ。
そこにコインを差し入れるだけで、私の世界は貴方のものだとしても。
隣で彼が、呟いている。
俺の腕も鈍ってきたな。
暗くなるその時間まで、私の中は回り続けている。
明日また、明るくなるその時間まで。