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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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宗教の勉強 予習復習

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宗教のおばちゃんとの勉強があるので、私はいつものように予習復習を始めた。

キリストが現れて以来、日々のリズムが崩れてしまっていた。
なんやかんやで、いい迷惑な時もある…。

お母さんには意を決して今の状況を話したけど、彼氏には話さずにおこうとお母さんとそう決めた。

彼氏は全く宗教というものを信じていないので、少しでも話してみたところで聞く耳持たずな状況になる。
なので彼氏には話さないという決断となった。


予習復習を始めた私はいつも通りにこなしていた。
手引となる本があって、聖書の読むべき所を記してあるので、そこを読む。
そして、質問文を読み答えを書く。
答えは手引となる本に、そのまま書かれているので、そのままノートに写す。

そんな感じで進めていた。

所々で聖書を読んではいるが、理解できない部分もある。
読めない漢字もあるし…。
でも、宗教のおばちゃんからは、
『インターネットで調べるのは止めてください。間違ったことを書かれてることもあるので…。それと、宗教の違いで訳し方も違ったりしますから…。』
と何度も念を押されていたので、ネットを見ないようにはしていた。

そこで私は疑問を抱いた。
“宗教というものはない”とか“この聖書だけが正しい”とおばちゃんは言っているのに、どうして世の中の宗教と自分たちを比べるのだろうかと…。
私が他の何かに惑わされないためなのだろうか…。
私としては、“自分たちが唯一の宗教です”と言うくらいなのだから、ネットに書かれていることを読まれても動じないくらいの態度を示して欲しいなぁ~と思った。
それと、おばちゃんから“神は人に自由意志を与えたので、人は自由意志で行動していんですよ。”と言われていた。
それなのに、“ネットを見ないでください。”というのは神の与えてくれた自由意志に反するんじゃないかと思った。
神を信じていると言いながら、人のやり方に指示を出すのはどうなのかと思う。
でもそれに対して、“人を指示するのも口出しするのも、人の自由意志です。”と言われたら、私は言い返せないだろうと思う。


なので、分からなかったらそのまま流して、勉強の時に聞けたら聞くという遠回しな作業となる。

そしてまた分からない文章が出て来た。

私が分からないと首を傾げていると何かが伝わってきた。
“どこが分かりませんか?”
というような言葉というか思いというかそういうものを感じた。
初めは勘違いと思い無視をした。
また聖書の同じ箇所を読んでは首を傾げていた。
するとまた何かが伝わってきた。
“その文章の漢字の意味が分かりませんか?”
とまた言葉とは言い表わせない何かを感じた。
そして私は思った。
言われてみれば確かに漢字の意味が分からないから、文章が何を言いたいのか分からなかった。
見たことない漢字だったのもあるかも…。
それか私の頭が悪いのか…。…でもそれは認めたくない…。

そして、漢字をじっと見ていたら、また声が聞こえた。
“その漢字はどんな意味と思いますか?”
と。
やっぱり私じゃない何かがどっかにある!!と思った。
その声を辿っていった。
辿っていった先に手を動かして仕事をしているキリストがいた。
私は思い出した。
私はキリストと出会ったことを忘れていた。

私は心の声で、
『勉強を教えてくれるんですか?』
と尋ねた。
[キリスト];(以下 [キ])
『はい。教えますよ。分からないところはどこですか?』
と優しく答えてくれた。
私はついつい良い人と思ってしまった。
疑いながらも試してみた。
『ここの漢字の意味が分かりません。』
と指で漢字の部分をなぞり恐る恐る聞いた。
[キ];『その漢字には、“細かい”という字が入っていますね。それはどういう意味だと思いますか?』
と変わらず優しくそう聞いてきた。
私は考えた。
細かい、細かい…と考えていると、頭に関節か何かの細部が見えた。
どういうことだろうかと見えたものと細かいを比べていた。
そして、“あっ!!”と気付いた。
『そんな細かいところまでも分かるということですか?』
と私は何の疑いもなしに、当たり前にそうキリストに聞いた。
[キ];『はい、そうですね。その文章で言いたいことは、神はどんな細かいところまでも見るということなんですね。どんなにウソを付いて目の前の人を騙せても、神は奥底の本当の心までも分かるということですね。神は人の口から出ている言葉だけを聞いているのではなく、心の奥底の細かいところまで見ているということですね。』
と分かりやすく教えてくれた。
『あんれまぁ~。』
と私はたまげてしまった。

どうしようと心は困っているのに、次の分からないところもついつい調子良く聞いたら、やっぱり教えてくれる。
いきなり答えを言うわけではなくて、私が出来るだけ答えを出せるように、いろんな角度から考えさせるように問いかけてくる。
全てが分かるわけじゃなくて、分からないままのところもある。
キリストは何か言ってるんだけど、私がうまくキャッチ出来なかったり、キリストの言ってることと私の考えが違うとうまく理解出来なかったり…。
それでも一人で予習復習をしていた時よりも断然進む。

そんな中、私はふと思った。
そしてキリストに私は尋ねた。
『どうしてこんなにしてくれるんですか?』
と。
キリストは微笑んで、
[キ];『聖書は誰かからの手引がなければ、理解できないのではないんですか?それを私はしているだけですよ。』
と言った。
『あ~、なるほど~。』
と私はかなり納得した。
ということは、宗教のおばちゃんたちにはこういうことが起こってるのか~と気付いたので、キリストに、
『おばちゃんたちにはこういうことが起こってるんですね!!それで聖書が理解出来るんですね!!』
と言ったら、キリストは微笑むだけで、言葉としては答えなかった。

私は微笑んで答えたと思っていたけど、いずれそうじゃないということが分かっていった。