小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

妖精のブラ

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 

深い森



観光地でもなくハイキングに向いている景観もなく、訪れる者も無い原始の状態の深い森があった。遠目に鬱蒼として道も無いように思えても、けもの道だろう歩くべきところはあった。その昼なお薄暗い中を中を一人の若い女性が歩いてきて立ち止まった。もうかなり時間歩いたのだろう額には汗が浮かぶ。女はシャツの袖で汗をぬぐい、それからそのシャツを脱いだ。少しずつ秋色に染まってはいても暑いのだろう、ちょっとの間躊躇を見せたあと、そのシャツを地面に落き、そのまま何かを決心した様子でまた歩き出した。持ち物は小さなポシェット一つ。どうやら家に戻るという意思はなさそうだ。

女は何かを探すように左右に寄り道しながら歩いている。少し急斜面を登りつめて立ち止まり汗をぬぐった。そして納得したような表情をして灌木とその周りを見てから、また着ているものを脱いだ。ブラジャーだけの上半身は風景にそぐわない色ではあるが却って美しさを引き立てている。女は灌木が庇のようになっている下に潜り込んだ。仰向けになって灌木越しの木立と空を見てふーっと息を吐き出した。やがて女は起き上がり、ポシェットから飲み物と薬瓶を取り出すと、その薬を大量に飲みそこに横たわった。

作品名:妖精のブラ 作家名:伊達梁川