スター・トルーパー
●教官入り
教官 大丈夫か!?カダック?すごい汗だぞ?
男 はぁ…はぁ…夢か…
教官 最近眠れていないってのは本当だったんだな
男 はい…それで、教官はどーして部屋に?
教官 あぁ。とっくに訓練時間だ。
男 あ…すいません
教官 気にするな。それより、お前自身は大丈夫なのか?
●男、テレビを見る。消えていることに一安心する。
男 大丈夫です…心配かけてすいませんでした。
教官 そのようには見えんがな
男 そうですか?
教官 あぁ
男 ……
教官 なぁカダック…
男 なんですか?
教官 私はお前に謝らなければならないことがある。
男 なんですか?
教官 昨日聞いたろ。自分のことをどう思っているかと。
男 ええ
教官 すまん。私は少し嘘を言った。
男 嘘?
教官 いや、正確には言わなかったというのが正しいか。
男 なんですか?
教官 私はお前を、研究対象として見ている。
男 ……
教官 プロジェクトの全貌を話すことはできないが、私の役割は、お前の上司として訓練を行い、監視、観察することだ。
男 ……そうでしたか。
教官 すまない
男 どうしてそんな大切なことを今更言うんですか?言わなければ俺はきっと気づかずにこれからも過ごしてましたよ?
教官 言ったろ?
男 はい?
教官 私はお前を研究対象として見ていると言ったが、お前のことが部下であり大切な仲間と思っていないとは言っていない。
男 それって
教官 私はお前の力になりたいと思っている。
男 ……
教官 相手の本音を聞き出すためには、自分の腹の中を見せる必要がある。それは地球人であっても異星人であっても同じことだ。
男 教官は大丈夫なんですか?上の人からの処罰が下るんじゃ?
教官 かもな
男 随分と適当っすね!
教官 まぁな
男 それはそれで教官らしいっすけど
教官 なんか褒められてる気がしない!
男 ……教官
教官 なんだ?
男 今日の訓練、俺の部屋でやってもいいですか?
教官 ほう…どうしてだ?
男 訓練の成果を教官に見せたいんですよ
教官 なるほどな
男 はい…これに向けて
●カダック、テレビの前に立つ
教官 いいのか?
男 ええ
教官 お前もお前で後々母上さんから処罰が下るんじゃないか?
男 その時はその時です
教官 それもそうか
男 明日には、次の星につきますね
教官 そうだな
男 次の星はどんな星ですかね
教官 きっとまた命がけで上陸することになるだろう
男 なんででしょう。今までで一番楽しみです。
教官 それはとても良いことだ。
男 ええ。今日はぐっすり眠れそうです。
教官 じゃあそろそろやっとくか?
男 そーですね!せーーーーーの…!!!
●テレビが壊されノイズ音が流れる。誰もいない部屋にテレビだけが残る。
しかし、ノイズが止み、再びテレビが点灯する。
END