小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
月とコンビニ
月とコンビニ
novelistID. 53800
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ミニ・ギャングスタ・マイス

INDEX|1ページ/4ページ|

次のページ
 
ミニ・ギャングスタ・マイス

【著】①松田②大島③山田

○登場人物
・中田さん
・子積さん(こせき)
・従業員1
・従業員2
・駆除業者
・工場長

【1】中田さん達はチーズ工場を根城にしているギャング。しかし、チーズ工場は休む暇なく稼働中。そんな中でギャングは従業員に日々仲間を殺害されている。そんなチーズ工場を舞台にした従業員(人間)とギャング(鼠)の抗争が始まる。

中田   またやられたっちゅ〜の!? 子積さん子積さん、今月の被害多すぎない!?
子積   チーズ工場の奴ら、最新兵器を設置しやがったようだ。
中田   最新兵器ぃぃ?
子積   あぁ、従来のネズミ捕りに粘着性のシートも備え付けてあった。仲間を助けようとしたら、そいつも捕まっちまうのさ。
中田   対策は練ったでしょうっ! 俺たちの信条第8項に書いてあるっちゅ〜のに! 「腹が減っても食い意地は張るな」なんで皆守れないの〜! 何人も殺されてる   
 ってのに!
子積   その罠だけが原因ではないようなんだ。チーズ工場の奴ら、雇ったらしい。
中田   や、雇った……だと?
子積   ネズミ駆除業者をね。奴は従業員になりすまして活動しているようなんだ。
中田   子積さん。少し、暴れすぎたな。
子積   中田さん、諦めちゃいけない。俺たちは工場を占拠して、夢の国を創りあげると決めたじゃないか。
中田   しかし、ネズミ捕りだけでも甚大な被害なのに駆除業者まで介入してきてはどうしようも。
子積   我々の武器は圧倒的な数です! 幸いにも駆除業者はたった一人。作戦ですよ、作戦を練るんです、中田さん。
中田   そうだな、諦めるのはまだ早かった。ありがとう、子積さん。
子積   いや、いいのさ。それで作戦だが、中田さんは部隊を率いて駆除業者の道具を隠してくれないか。おれの部隊は各地に散らばるネズミ捕りをそこに集める。
中田   そして駆除道具とネズミ捕りをくっつけて使えなくするってことだな。
子積   あぁ、念には念をだ。仮に見つかっても道具は使えない。
中田   まて、だが従業員はどうする? 駆除業者もだ。奴らは道具がなくても相当な巨体だ。
子積   危険だが、考えがある。
中田   子積さんが囮となって注意を引きつける。その後集団で後ろから襲いかかる。
子積   よくわかったな。
中田   長い付き合いだからな。子積さんの建てる作戦なんて自分が危険な立場に立つことばかりだろう。
子積   他にできるやつがいるか? おれしかしないだろ。
中田   今回ばかりは子積さん一人には任せない。おれも囮になろう。
子積   無謀だ!
中田   無謀じゃない! おれだって経験は積んできたんだ。昔のように守られてばかりじゃない。
子積   ……絶対に折れない。って顔だな。
中田   折れない。
子積   わかったよ。だけど、守ってはやれないぞ。そんな暇は無いと思う。
中田   大丈夫だ。子積さんこそ失敗するなよ?
子積   いいか、中田さん。俺たちが担当するのは駆除業者のみだ。仲間が従業員にどれだけ捕まろうが放っておくんだ。ミッションを成功させるには余所見は禁物だよ。
中田   まずは駆除業者と従業員を見極めなければな。
子積   あぁ。さぁ、中田さん皆に命令を。
中田   皆ぁ! 聞いてくれ!
●SE「鼠の声いっぱい」
子積   リーダーが決断をした! 静かにしろ!
中田   チーズ工場の占拠に移る! それぞれの部隊は配置に着き、部隊長の命令に従え! 部隊長はこちらに。
●「子積」「中田」ハケ

【2】チーズ工場では毎日チーズを作っている。鼠にも耐性があり、鼠を見たくらいでは騒がない。そして、中には鼠にチーズをこっそりとあげる従業員も。こういう従業員は駆除業者をよく思っていない。鼠は一部ではペット視されているの言っても過言ではないのだ。

従業員1   ねぇ、聞いた? 鼠の駆除業者を雇ったんですって。
従業員2   え、とうとう業者に頼んじゃったんですか? 世間にバレたら工場潰れちゃいますよ!?
従業員1   なんかすっごい額の口止め料を払っているらしいわよ。
従業員2   工場長も必死ですね。
従業員1   そこまでしなくてもって思うのよねぇ。
従業員2   こっそりチーズあげちゃうくらいですもんね。
従業員1   うん……な、なんで、知ってるの?
従業員2   見ちゃいまして。
従業員1   工場長には内緒よ〜?
従業員2   大丈夫っす。話し相手がいなくなるのは僕も嫌なんで。あはは。
従業員1   助かるわぁ。
従業員2   それはそうと、駆除業者ってどこにいるんですか?
従業員1   従業員になりすましているらしいわよ。
従業員2   まじすかっ。
従業員1   噂よ、噂。
従業員2   でもここの鼠って、たまに頭良い奴いますよね。そいつの対策だったりするんじゃないすか?
従業員1   あの子ねぇ。見つけたと思ったらすぐにどこに行ったかわからなくなるのよね。
従業員2   鼠って、怖くないですか?
従業員1   私は別に……
従業員2   いや、怖いって言っても一匹とかじゃなくて。ほら、一匹見つけたら百匹はいるって言うし。
従業員1   それはゴキブリよ〜。
従業員2   実際鼠もそんくらいのもんっすよ。で、その何百匹って鼠が一斉に現れたら、怖くないっすか?
従業員1   う〜ん、確かに、それは怖いわね。
従業員2   まぁ、あいつら警戒心強いっすからね。無駄に出てきやしないでしょう。
従業員1   あら、このチーズも商品にできないわね。鼠にあげましょか。
従業員2   あ、そういうチーズをあげてたんですね。
従業員1   当たり前じゃない。さすがに商品価値のあるチーズはあげないわよぉ。
従業員2   鼠もこういうチーズだけを狙ってくれたらいいんですけどね。
従業員1   ウィンウィンの関係ね。
従業員2   うちでも一応「わけあり品」として売っていますよ〜。
従業員1   あら、そうだったわね。すっかり忘れてたわぁ。

●従業員1、2ハケ