眠りではなく
眠りでは無く 死なのだ
海の底は深く 凍るように冷たい
ゆらゆら揺れる私の身体は 海の揺れだ
息は波であり 澄んだ清浄を ―――――――――――――――――――――――――
ここはアルミの世界。
生きていくのに必要な、最低限の酸素と二酸化炭素のみで構成されている。
記憶ではなく、外からの記憶が私に埋め込まれようとしている。
皆、呼吸を求めて彷徨い、償いの時間を生きている。
味方する者は、共に息をする者。
吸い込まれるものは、共有されてゆく。
やがて身体は浮かび上がり、底が呼ぶのを待つだろう。
底は身体を軽く太陽へ預けるのだろう。
目を覚ましたら、復活だという。
このまま永遠の眠りを求める私を覚醒させる者は居るのか。
人生が残酷なので、私はこの海の底にいるのではないのか。
身体は只、空気だけを求め、復活を求めている。
長い、本当に長い時間が私に与えられたことを、感謝しなければならない。
探すこともなく 生きるためのものはそこにある
新しく眩しい世界で 私は暮らすのだ