藍の華
君に自然と目がいくようになったのは。
人気者の君と
嫌われものの俺。
釣り合う訳がないのに、
夢見てしまう。
空気が澄み渡り想像の手さえも届かない位
高く高く上の空を見上げながら
ヒリヒリと痛む擦り傷を擦る。
「奈々?なにしてるの?早く行くよ!」
「あ、待って待って!今行くから!!」
ふと思う。
私が過ごしてる日常は当たり前だけど、この当たり前の日常は誰にでもあるわけじゃない。
私とは正反対に、忌み嫌われる人もいる。
「奈々ってば!!もぅっ!置いてくからね?!」
「酷いー待ってよー!!」
「大秀君、また苛められてる...」
「ほっときなよ。人気者の奈々でも首突っ込んだら危ないよ?」
「に、人気者だなんて...。でも、流石にあれはやり過ぎなんじゃないかなぁ...」
「奈々!本当にダメだよ。あそこのリーダーの男子、あんたに惚れてるっぽいけど、危ない真似はしないほうがいいよ。」
「でも...美紀ちゃん、あれは....」
「奈々!!」
「...っ!!!」
「......早く行こ!授業遅れる!」
「うん...」
皆皆、自分がいじめられるのが嫌みたい。
そりゃそうだよね、私だって、いじめられるの、怖いもん。
「今日はホントついてない」
「いや、ついてないのはいつものことか」
皆から忌み嫌われ、いじめはいつものこと。
「あーぁ、もう、いっかなぁ...」
全てが嫌になるんだ。
どうでもいい。
「あの...」
「っ?!」