『 ドラキュラについて考えてみた人の話 』
吸血鬼。蚊が人だったら。十字架に弱い奴ら。
血を吸うということは、血が足りないんだろう。
血が足りないということは、理由があるんだろう。
ニンニクは血行を良くする食べ物だということを教えてあげたい。
世の中のためにと血を散らす聖者たちに、訳もなく狙われる必要はない。
あと、生まれた時からドラキュラだった理由は単に遺伝なのか、親が吸血のためにドラキュラにしたのか知りたい。
日に当たることは、青白い顔を紅くする方法だということを教えてあげたい。
地上に出るということは、人間に還るということ。
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それから数千年が経ち、ドラキュラは考えた。
ああ、僕が人間だったらなぁ。
血とニンニク以外が好物なのに。
ドラキュラはジューサーを取り出し、野菜と果物を丁寧に切り、放り込んだ。
美味しいものが増えちゃった。
僕はベジタリアン。
それから正直者で知られてる。
苦手なことは戦争で、嫌いなものは十字架だ。
僕の記憶がそうさせて、青い顔も紅くなった。
なぜなら誰も、聞かないから。
君って、ドラキュラなの?
作品名:『 ドラキュラについて考えてみた人の話 』 作家名:みゅーずりん仮名