小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

四度目の訪問。そして決意。

INDEX|1ページ/1ページ|

 
先週の訪問の後、すぐにお母さんに電話して詳細を話した。
武具について言われたことを話したら、
『お母さんも武具を付けた方がいいと思う。あんたは何かが強すぎるから勉強して守ってもらった方がいいと思うよ。次に来た時に勉強することを決めましたって言いなさい。』と言われ、なんだか怖くなった。
勉強を受けようか~、どうしようか~と思いがふらつき始めた。

そして一週間後の同じ時間にインターホンが鳴った。
やっぱり律儀だ~。

そして先週と同じように玄関で話した。

『この一週間どうでしたか。何かありましたか?!』
とおばちゃんはいつものように口を開いた。
『毎日お母さんと電話で話しています。聖書について話してます。』
私がそう言うと、おばちゃんは目を輝かせて、
『まあ、まあ、それはとても素敵なことだと思います。』
と言った。
そして私は、疑問を投げかけた。

『人間がいつ地球に登場したのか考えているんですけど、調べても分からなくて…。それは何年前ですか?!』
と尋ねたら、
『まあ、それは素晴らしい質問だと思います。あなたは素晴らしい知識をお持ちなんですね。』
と言って終わった。
『はい、ありがとうございます。…それでいつなんですか?!聖書を読めば分かりますか?!』
『はい、聖書は全てのことを書いてあるので、しっかりと聖書を研究すればその答えも出てくると思いますよ。聖書は神の言葉ですからね。』
とおばちゃんは言った。
なるほど辞書には答えがある…。
私は心の中でそう思った。でもおばちゃんは教えてくれない。
どうしてだろう…。
『最初の人間はアダムとイヴですよね?!』
『はい、その通りです。よくご存知でらっしゃいますね。神は人の形に最初の人間アダムを作ったんですね。』
『はい。それで、アダムが地上に存在したのは何年前ですか?!』
と私はこの言い方なら理解してもらえるかと頭をひねりそう聞いた。
『素晴らしい質問だと思いますよ。』
とまたこれだった。
もしかしたら分からないのかなぁ~と思ったので、
『あっ、分からないならいいです。分かることだけ教えて下さい。』
と言うと、おばちゃんの顔が険しい顔に豹変して、
『いいえ、分からないことはありませんよ。聖書は神の言葉ですからね。私は神の存在を証すものですから、分からないことはありませんよ。神は偉大な人ですからね。』
と早口でまくし立てるようにそう言われた。
何か悪いことでも言ったかなぁ~と困った。
お母さんには何を言っても聞いてくれるし、怒ったりもしないとのことだった。
違う宗教なのかなぁ~と頭を過るほどの豹変だった。
でも私はまだお母さんの言葉を信じていた。
おばちゃんが分からないことはないと言ったので、私はもう一度聞いた。
するとおばちゃんはようやく意味が分かったのか、
『今はちょっと資料を持っていないので、帰ってから調べてきますね。』
と言う答えだった。
何で神様に直接聞かないんだろうかとまた疑問が一瞬頭を過った。
でも今は分からないということなので、また答えを聞こうと思った。
『はい、分かりました。』
と私が納得するとおばちゃんの表情は元の輝いた顔に戻り、
『はい。』
と言った。

そしてことあるごとに勉強のことを持ち出し、神の霊感を受けたものが教えないと聖書を理解することは出来ないと言った。
そして私はふと疑問がわいたのでおばちゃんに聞いてみた。

『神様がいるということを知っているんですよね。私は無神論者なのでいるとは思いません。』
と私が言うと、おばちゃんは笑顔で、
『はい。でも勉強をすると神の存在を信じられるかもしれませんよ。』
とニコニコ嬉しそうにそう言った。
『神の存在を証すものということは、神様に“あなたは神を証すものですよ”と言われたんですか?!』
と聞いたら、
『いいえ。そういうことではないんですよ。神の姿を見たものは誰もいませんからね。でも、聖書を読めば神が存在していることを納得することが出来ます。神からの言葉でしかあり得ない言葉がたくさん出て来ますからね。』
と言われたので、
『それじゃあ、神様の許可無く証すものと勝手に言ってるんですか?!そんなことしていんですか?!』
と私は驚いてそう聞いた。
おばちゃんは険しい表情になり、
『勝手には言っていませんよ。』
と早口で言った。
どこにヤバいスイッチがあるのか分からない…。
『神様本人に会ったわけではないのに、勝手ではないんですね…。でも神様は認めてくれてるんですよね?!』
と次から次に疑問が湧いてきてそう聞いた。
おばちゃんは表情を変えず、
『はい、神は認めてくれていると思います。このようにしてあなたの前に証すものとして現れていることが答えになると思いませんか?!神からの直接の許可はありませんが…、そのことについてはいずれお話しますね。』
と早口だった。
人を怒らせてはいけないんだろうけど、やっぱりおばちゃんのスイッチが分からない…。でも、いろんな疑問の答えをおばちゃんは知ってるようだし…。
おばちゃんとはウマが合わない時もあるけど、それでも知りたいと思った。
勉強すべきか悩みながらおばちゃんと話していた。

『あなたにはたくさんの疑問がおありになるので、理解するための時間がたくさん必要だと思います。私はそんなあなたの助けになりたいと思ってるんですね。どうですか、勉強してみませんか?!』
とさっきの険しい表情とは打って変わって、謙虚で心から言っているように感じた。
さっきのおばちゃんは何だったんだろう…と疑問に感じながらも私は、毎週毎週玄関で
20~30分しか話さない中でどうやって答えを知り、会話が出来るだろう…と時間が足りないとは感じていた。
なので、
『はい、勉強してみます。』
と言った。
『まっ、まっ、まっ、まっ…、』
と驚き戸惑い、顔を輝かせ、
『ま~、そうでしょ、そうでしょ。ま~、勉強する気に…。私嬉しさのあまりに飛び上がってしまいました。』
と喜びが溢れんばかりにおばちゃんはそう言った。
『では、来週から勉強に入りたいと思いますね。それでは、また来週この時間に。』
と言って、帰って行った。

ついに勉強することになってしまった。

おばちゃんが帰るとすぐお母さんに電話した。

『ほらみなさい。お母さんの言った通り勉強することになった~。勉強して早くお母さんの所までたどり着きなさい。…でもあなたにすぐ追い越されると思うけど…。あなたには何かあると思うから。じゃ頑張るのよ~。』
と言われて終わった。
私としては何か腑に落ちない言われ方で、イラッとしたけど…。