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みゅーずりん仮名
みゅーずりん仮名
novelistID. 53432
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後世を語る者

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後世とは、未来であり、未だ見ぬ世界を語る者はいない。
なぜなら、それは恥を語ることと同じであり、予言者や占い師は勇気ある奴らなのである。

後世には、死後の世界という意味もあるらしいが、ある人物が死後の世界へ飛んだというだけのことであるらしい。つまり、その人物にとっては後世だが、それを継ぐ者にとっては来世から現世へと名を変えただけなのである。

何でもかんでも、予め語る者は滅びを語る者となり、後世には予め定められた出来事や物事は過ぎているという訳だ。その法則を知っているだけでも、生きる勇気となるのではないか―――――。


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体に、入れる物によって、ルックスとか変わっちゃうんだって。例えば、黒色を入れると黒に、白色を入れると白になるらしいよ。
基本値が、白(0)~黒(100)の間の50が僕の数値だとすると、まぁさぁ、30~70位にはなるはず。

本当にそうなのか、何年間かずっと研究してたんだけど、実験の結果は○だよ。
僕の意見では、ないんだけど、ジューサーを使ってた時に思い付いたから、僕の意見。

あと、医者の意見とかでは、浄水器や濾過器なんかが体の仕組みなんだって。
本当に、驚きだよね。周りの人を観察してると、正しすぎて笑えるよ。

デブは、デブの元を食べてるし、白は白の元を取ってるからね。
内緒なんだけど、毛深い奴が珈琲とか烏賊墨とか洒落込むと、やばいジャングルになるって。でも、ハゲには感謝されるはずだけどね。


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生きていることは、素晴らしい。
後ろから突っ込む車に轢き殺されかけた経験が数十回だとしても、壮絶なリンチ予告を受けたとしても。何にせよ、人は人を羨み隣の芝は青いと嘲笑いながらも、盗み見る背徳に溺れている。

後世には、受け継ぐ者が世界を牛耳り、未来を語っていることが私には見えるのだ。今、この時代を生き続ける私は既に、滅びを語る者になりつつあり、後世を見据える矛盾を抱えている。

この国の歴史を見また作り続けてきた人々の言葉を信じては裏切られ、私の命の灯火は消えた。貰い火により再び灯火を灯し続けることに苦痛を感じては笑われ、私の人生は破滅へと向かう。

辛い選択肢だけが、彼らにとっての許容範囲であり、息をつかせぬ追っ手から逃げ続けるべきなのか。休息と笑いと金が両立することは不可能であり、彼らだけがそれを求めているのではないのか。


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目とか細くなったり、鼻が八戒になっちゃうんだって。
例えば、幽霊に狙われたり変な守護霊とか来ちゃうと。
相性とか、占うべきなんだよねぇ、まったく。

もーさー、研究とか実験とか、全部ムダになっちゃったじゃんか!
僕の意見なんて、一日で古くなっちゃうしさ。
取りまくる奴らだけが得するんだから、世の中なんて。

それで、僕は真剣に考え込んでみたんだけど。
僕の意見は、何かから出来てる。でも、奴らの意見は・・・。

本とかテレビか、教育か仕事か。
赤い色か黄色い色が出ない必要があるんだって。
自然は、緑と茶色から成り立ってるっていうのは本当なんだけど、青以外ダメらしい。
でも、奴らには感謝されるはずだけどね。


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私が受け継ぐ者であり、後世に残す者である。
私を於いて他に受け継ぐ者は無く、それだけが大きな問題として挙げられている。だが、私の未来も長くはない。腰を折る者達が私を付け狙い、窒息と昏睡の末の死を望み続けている。

やがて私を受け継ぐ者は、私を於いて他に居ないことに気付き、私は苦しんでいる。
私の後世は、私になるだろう。受け継ぐ者を探す奴らから逃げ続けない限り、私は受け継ぐ者なのである。

後世が私に残すものは、私であるからだ。


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僕がねぇ、何だかんだ言っても受け継ぐ者だからね。
誰かが邪魔しても、僕の物だからね全部。
お前も家も金も女も、全部だからね。

お父ちゃんだけがそれを知っているから。
だけど、背が足りないからね、あと歩幅とかルックスとかが未だ。

若いからって、なめるなよ、って言えばいいって。
段々、僕が僕じゃない感じになって来たら、僕が後世の人。


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私が退く訳には未だ行かず、誰か他人に譲るには適任が居ない。
財産も人も滅び行くものであり、私は既に奴らの手中なのだ。
世の中をこれ以上、悪に満たす訳にも行かず、私は・・・。


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輪で和になる国なんだって。
そうすると、後世も見れる可能性があるんだって。

僕の意見では、その後は見る価値ありだけどね。
ちょっと苦しくなってきた。


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したためた文書を封筒に入れ、投函することにした。
いつかお前に届くだろう。

時間の流れは速いが、早すぎるということはない。







~ 終わり ~



作品名:後世を語る者 作家名:みゅーずりん仮名