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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
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鎧武外伝 仮面ライダー神武

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第二章



 一月中旬。
 かのクリスマスゲームでアーマードライダー斬月に戦極ドライバーを破壊されたアーマードライダー黒影こと、初瀬亮二。彼は、死亡した。原因は、ヘルヘイムの実を口にしたことによるインベス化。それにより怪物と化し、インベスとしてアーマードライダーに倒され、死亡。
 彼を殺害したのは、アーマードライダーシグルド。こと、錠前ディーラーシドだ。
 それを影から見ていた知記。だが知記は紘太を助けることは叶わなかった。
 黒影トルーパー。アーマードライダー黒影と同じライドウェア、マツボックリアームズを着用したアーマードライダー達だ。ただし、違う点がいくつかある。一番大きな違いは、戦極ドライバー。彼等の装着する戦極ドライバーは、最初に作られた八基の戦極ドライバーから得られたデータをフィードバックし、量産体制が整えられた量産型ドライバーだ。そのライダーインジゲータ部分には何も描かれず、イニシャライズされないため、誰でも装着できるのが特徴だ。
 緩和休題。
 葛葉紘太は、シグルドによって無力化された後、その黒影トルーパー達によって迅速に回収されたのであった。そのため、知記が助ける間もなく、連行されていった。
「それじゃあ、後は頼むよシド。」
「はいはい。」
 しかし、その場でシドを押さえることは出来た。
「シド!」
 既に斬月・真、デューク、マリカの去った後であった。
「おやおや、知記じゃないか。脱走して、何か変わったことはあったかい?」
「色々あったよ。…それよりだ。」
 知記はシドを睨み付ける。
「初瀬、どうしてあんな風に殺ったんだ。」
「仕方ないだろう。あれは怪物だ、放っておけば市民の命に関わる。俺は街を守ったんだぜ?」
「そこじゃない!どうして葛葉に絶望をたたき付けるように殺ったかと聞いているんだ!」
 その言葉に、シドはため息を吐きながら答えた。
「やれやれ、この街のお子様は甘っちょろ過ぎる。あれくらいしないと、葛葉紘太が一線を退こうとしなくなるだろ。」
「…そんなに葛葉は邪魔物か。」
「ああ、邪魔だね。俺達の計画にはな。」
「オーバーロードや、黄金の果実か。」
「よく分かってるじゃないか。何処で仕入れたんだ?」
「うるさい…!悪いが、俺はお前を許さねぇ!」
 知記は戦極ドライバーを取り出し、腰に装着する。
「前から馬が合わないとは思っていたが、これで踏ん切りはついたよ。」
「そうかい、それならそれで俺も助かるぜ。なんせ、お前を堂々とやれるからな。」
 シドは、装着しているゲネシスドライバーからロックシードを外し、もう一度解錠した。
『チェリーエナジー』
 知記もロックシードを取り出し、解錠した。
『ブラッドオレンジ』
 二人は同時にロックシードをベルトに取り付け、同時にベルトを操作した。
『『ロックオン』』
『ブラッドオレンジアームズ 邪ノ道・オン・ステージ』
『ソーダァ チェリーエナジーアームズ』
 二人の頭上にアーマーパーツが出現し、それが二人に覆いかぶさりそれぞれの変身が完了する。
 そしてシグルドは左手に持つアームズウェポン、ソニックアローを構え。
 神武は右手の大橙丸を左逆手に持ち直し、腰の無双セイバーを引き抜く。
 二人は互いを見据え、駆け出す。すれ違う寸前、互いに刃を交わらせる。それは斬り合いに発展した。
 その刹那、その場にクラックが開いた。二人はそこへ飛び込み、ヘルヘイムで戦闘を続ける。
「お前はなぜ禁断の果実を求める!」
 戦いの最中、知記は訊く。
 シドは余り態度を崩さずひょうひょうと答える。
「そんなもの、お前の知ったことじゃないだろう!だったら、お前はどうして戦う?」
 互いの刃を重ね、斬り結びながら会話は続く。
「俺は、最後まで諦めたくないだけだ!」
 二人は互いに距離を取り、少しだけ力を抜く。
「俺は、世界で十億人しか助からないだなんてごめんだ。だがそれが最善の策なのならば、甘んじて受け入れよう。だけど俺は、最後の最後まで足掻いて、それでもダメだった時にしかそれを信じない!」
「それはただの戯れ言だ!世界が助かる方法なんか、それこそ禁断の果実しかない!」
「だからこそ、俺はお前なんかに禁断の果実を渡すわけにはいかない!」
 知記は戦極ドライバーからロックシードを取り外し、無双セイバーに装着した。
 時を同じくして、シドもゲネシスドライバーのシーボルコンプレッサーを一回だけ絞り、ソニックアローを構える。
『ロックオン イチ・ジュウ・ヒャク ブラッドオレンジチャージ』
『ソーダァ チェリーエナジースカッシュ』
 そして同時に走り出し、二人同じように横一線に切り裂く。切り裂き、刃を構えて停止する。
 先に膝をついたのは、知記であった。変身は解除され、無双セイバーは消滅してロックシードのみがその場に落ちた。
「悪いな知記。お前も、邪魔物には代わりないんだ。」
 返事はない。どうやら知記は気絶しているらしかった。
「そんじゃ、失礼させてもらうぜ。」
 シドはバイク型のロックビークル、ロースアタッカーを取り出した。それを解錠し、それに跨がってその場を後にする。
 …どれくらい時間が経ったのか。知記が倒れているその場に、民族衣装を纏った男が現れた。
 サガラだ。
 サガラは知記を抱き起こした。
「どうやら、負けたらしいな。だけど、お前にはまだやらなければいけないことがある。」
 サガラを知記を抱え、その場に落ちている戦極ドライバーとロックシードを拾い、クラックを開けて現実世界に戻った。
 その戦極ドライバーは、横一線に切り裂かれ、破壊されていた。



 知記が次に目を覚ました時、目の前にあったものは白い壁であった。正確には、白い天井だ。
「ようやく目を覚ましたわね、紅城君。」
 知記が横に顔を向けると、そこにはびっしりとスーツを着こなした女性が座っていた。
「…湊…耀子か。」
「記憶障害はなさそうね。貴方自身も軽傷だし、動けるはずよ。」
 知記は試しに体を起こす。すると、少し体は痛むもののすんなりと起きられたため、それが事実だと分かった。
「ここは?」
 知記は耀子に聞いた。
「ユグドラシル・コーポレーション建物内の医務室よ。隣接の病院に入れるまでもないと判断させてもらったわ。」
「…相変わらず、お前は有能だな。」
「褒め言葉として受け取っておくわ。さて、プロフェッサーがお呼びよ。歩けるかしら。」
「大丈夫だ。」
 知記はベッドから立ち上がる。
 それを見た耀子は先導し、知記を凌馬の元へと案内した。
「そういえば湊、誰が俺をここまで?」
 知記は、意識を失っている間の事を聞いた。
 それに耀子は事務的に答えた。
「サガラよ。突然建物内に開いたクラックから現れて、貴方を医務室まで運んだのよ。」
「なるほど…。」
「後でサガラにお礼を言っておくのね。」
「そうしておくよ。」
 そうしている内に、凌馬の研究室にたどり着いた。耀子は持たされているカードキーを使ってその扉を開いた。その中にあったのは、何故か頭を抱える凌馬の姿であった。
「どうされたのですか、プロフェッサー凌馬。」
「ああ、厳重に保管しておいたはずの試作品を何物かに盗まれてね。」