大賢者さまとボディガード
プロローグ 大賢者さまとボディガード
昔々、あるところに
小さな大賢者さまがおりました。
大賢者さまは
その強大な魔力と引き換えに
不老長寿でした。
身体は小さな子供のまま
彼は放っておけば
それこそ
何百年、何千年と生きました。
しかしその力のもと
大賢者さまの命を狙うものは
あとを絶ちませんでした。
困った大賢者さまは
ふもとの町に
おふれを出しました。
「ボディガード急募
若く有能なもの」
翌日
大賢者さまの住む塔に
ひとりの娘が
現われました。
娘は微笑んで
身の丈ほどもある武器を手に
こう言ったのでした
「わたしはアルティ
必ず
大賢者さまをお守りします」
大賢者さまは
この娘をたいそう気に入り
ちいさな魔法をひとつかけると
一緒に住み始めます。
これは
そんなふたりの
ものがたりです。
作品名:大賢者さまとボディガード 作家名:中山月夜