巣のない少女
今日から日記を書く。
今日の朝、母親に刃物を向けられた。刺される痛みを半年前に経験し、再びあの思いをするのかと思うと怖くなり、定期券と携帯の二つを握りしめて、家を飛び出した。
そして、決めた。
もうこの家には戻らない、絶対に戻らない。
これは、今通ってる都内女子高進学校中退、バイト蒸発、を意味する。
もう少し頭を働かせてみよう。
私にこれから手を差しのべてくれる人にとてつもないリスクを追わせてしまうことになる。
これは、私が一番避けたいこと。
なら、家出するなって?
なら、刺されたことある?
ハンガーで全身みみず腫とか水筒で殴られたりしたこととかある?
四六時中、死ねばいい産まなきゃ良かった、て言われ続けたことある?
ない、て答えてもらわないと困るよ。笑
おっと、遅れましたが、自己紹介!
名前はゆみ
千葉出身都内女子高進学校3年(もういかなくなると思うけど)
ファッション団体の代表(超大変だけどまぁまぁ順調)
都内の大学で撮影系統のサークルに所属(当然だけど、高校生は普通ならサークル入れません)
時々、モデル(今のところノーギャラね)
彼氏はいないけど久々に好きな人ができた(これからたくさん出てくるよ)
所持金ゼロ円
人脈はそこそこ自信あり(良い方にも悪い方にも)
牛丼屋、ピザ屋、ラーメン屋、CD プロデュースのお仕事をしてた経験あり
んーこれくらいかな?まぁ後々わかるよね。
さて、またまた話は戻って、とにもかくにも私は今日、家を出る。一生帰らない。
朝からボーッと東京駅で五時間ほど一人で時間を潰した。お昼ご飯はなし。
ますみさん(私の好きな人)からの連絡を待ち続ける。
ますみさんは団体のプロデューサー兼カメラマン。自身もモデルをしている。
この人はとにかくすごい。何がすごいか説明するとここには収まりきらないから書かない。
ただ、私にとってとても不思議で魅力的で中身の詰まった人。
お昼過ぎ、連絡がきた。会うことになり、集合場所に向かった。
今日は機嫌が悪い。ピリピリしてて嫌な感じ。
ますみさんの用事を一緒に済まし、団体応募者のオーディションに向かう。
今日の応募者は合格でした。あきかちゃんおめでとう。
夜になり、少し家を出る決心が揺らぎ始めた。
今日帰らなかったら本当に多くのものを失う。わかってる。わかってるけど、ね。
私はコンビニに入り、鏡月のアセロラの大きいボトルを手に取りスイカで購入した。
生まれてこのかた、老けがおなもんで年齢確認をされたことがない。
そこから、公園を探し、鏡月をらっぱ飲み。ますみさんは隣でタバコをふかしながらその姿を見て引いていた。
日付を越え、終電も逃し(帰るつもりなかったけど)ホテルへ向かった。
初めての外泊。
久しぶりのセックス。お酒が羞恥を忘れさせ、私は最高にノリノリだった、
気分も悪くなかったけど、お酒のせいで睡魔に襲われ、途中で夢の世界へ。不完全燃焼。
起きたら、どうなっているんだろう。
きっと母親は怒りにくるい、私を目にした瞬間、刃物を降り下ろすだろう。
あ!私はもう帰らないのか。そうだった。
おやすみなさい。
To be continued