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朝から何かと運が悪かった。
まず、叩き起こしてきた携帯の時刻が設定した30分後を指していた。
洗面台で顔を洗おうとしたら、間違えて手に歯磨き粉を出していた。
歯を磨こうとしたら、間違えて歯磨きに洗顔料を出していた。
何度も何度も髪をとかしたけれど、一房だけ自我を持ったように言うことを聞かなかった。
次に自分の部屋に戻ろうとしたら、洗面所の棚の角に小指をぶつけた。
自室で着替えようと全身鏡と格闘していたけれど、結局似合う服が見つからなかった。
毎朝飲んでいる牛乳を飲もうとしたら、猫が邪魔をして折角選んだ服が真っ白になった。
泣きそうになっていたら猫がすりよってきて、撫でようとしたら盛大にひっかかれた。
テレビをつけたら乙女座が最下位だった。ラッキーポイントは遅刻しない。もう無理だ。
諦めようと思って相手にメールしようと思ったら、携帯の充電が底を尽きた。
家電をかけようと思ったけれど、あいつの携帯番号なんて知らない。
もう終わった。そう考えているとインターホンが鳴った。
慌てて着替えてドアを開けると、いつものあいつがひょこりと出てきた。

嗚呼、今日は今までで一番運が良い。


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作品名: 作家名:色葉、