近所のおばちゃん一家の話
「ちょっとおとーさん聞いてーー!うちの隣の隣の隣に引っ越してきた
山崎さん?エホバーとかゆーのやってるんやけど、カルトとかゆー話なの
よー」
「ほー」
おっさんは新聞を見ながらあいづちをうつ。
「ほかの宗教はみーーんなサタンの仕業とかゆーてはんの」
「ほー、それはこわいなーー」
適当にあいづちをうつおっさん。
「あーんな人が近所に越してきて大丈夫かしらーーねーー」
でかい声で話しまくるおばちゃん。
「それはそーと、おとーさん、そこの電柱のとこのカラスのフンがめちゃめちゃ
ひどいのよーーなんとかしてーー」
「あー?あとでええやろ」
「あとでいいけど、くっさいくっさい、もーフンだらけよ」
「あー、あとで水巻いとく」
「あ、そーや、たけしにコーヒー買ってこいってゆーてこよ」
おばちゃんは階段の下の方へいって、自分の息子のたけしを階段下から呼びつける。
「たけしーーー!たけしーーー!」
上の部屋のたけしが顔を出す。
「あー?なんだよー」
「ちょっとコーヒー買ってきてーー!」
「あー?いまーー?いま、悪魔教やってんだけど」
「はー?あくまー?」
「ロックしてーサタニズムーでーー超クールみたいなことやってるしー」
「なにゆーてんの?はよ、コーヒー買ってきてーお駄賃あげるからー」
「あーーわかったーー」
そうたけしがいうとおばちゃんは、またおっさんのところに戻ってくる。
「ほんまにくっさいわー、あの鳥のうんこ」
おわり
作品名:近所のおばちゃん一家の話 作家名:ぽてすけ