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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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36―3 【進】

 【進】、「しんにゅう」の上の「隹」は鳥の形。鳥占いにより軍の進退を決め、進軍することを【進】と言うらしい。

 軍歌に「露営の歌」というのがある。

  ♪ 勝って来るぞと 勇ましく
    誓って国を 出たからにや
    手柄たてずに 死なれよか
   【進】軍ラッパ 聞く度に
    まぶたに浮かぶ 旗の波  ♪

 この【進】軍ラッパ、これが鳥占いであれば、やっぱり勝てないよなあ。ということで、敗戦。

 そして話しは変わるが、生物が種や属の段階を超えて変わることが「進化」、いわゆるカッコよく言えば、エボリューションだ。
 人類の証は直立二足歩行。
 どのように類人猿から人類へと進化したのだろうか?
 いろいろと説があるようだ。現在はかってのサバンナ説からアクア説が注目されているとか。

 サバンナ説
 類人猿は生きるために何らかの理由で二足歩行が必要になった。
 それをサバンナでやり、人類へと進化した。

 しかし、なぜ人は無毛なのか? ここがサバンナ説では説明できない。
 一方、アクア説──なんと、元々人は水棲動物。
 水の中で浮力で二足歩行を覚え、そのまま陸へ上がったとか。

 ホンマかいな? と思うが、決め手は……魚と一緒で体毛がない……ということらしい。

 うーん、とにかく言った者勝ちのようだ。
 そこで吾輩の新説を。
 それは本邦初公開の「エエカッコシー」説。

 オス類人猿がカッコ良く見せたくて、ウジャウジャの体毛を抜いて、背筋を伸ばして歩いた。これで目出度くガールフレンドをゲット。
 この成功体験が親から息子へと、そして孫へと受け継がれて行った。 
 そして気が付けば、それが千回も繰り返され、いつの間にか体毛は退化し、二足歩行で歩いていた。

 どうだ、「エエカッコシー」説は、と言いたいが、どうも吾輩の脳、もっと【進】化させた方が良いようだ。