漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
22―3 【円】
【円】は「員」から「圓」に、そして【円】に変わって行ったようだ。
「員」は元々煮炊き用の青銅器器であり、その口は丸かった。その字を○で囲んで「圓」となったとか。
いろいろと変遷するものだ。
しかし、【円】、日本のお金であり、一番身に付いて欲しい漢字だ。
18世紀頃の中国、メキシコから円形の銀貨が入って来ていた。それを「銀圓」と呼んでいた。
その後中国では、この「圓」の字数が多いため使いづらいのか、同じ読みの「元」に変えた。
しかし、日本は「圓」を同じ丸い意味を持つ易しい漢字【円】に変えた。
つまり素材の味は残し、新たな漢字を産み出したことになる。
ヤッター!
日本の方が工夫がある……と叫んでみても、【円】が財布の中になければ意味がない。
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊