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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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17―2 【梟】

 【梟】、これは鳥の「ふくろう」だ。
 その【梟】、かって木の上に「ふくろう」の死骸を晒(さら)して、小鳥を脅す習慣があったからだとか。
 だから、「木」の上に「鳥」をおいて――【梟】となったようだ。

 それって冗談? と言いたくなるが、日本全国の山林にすむ。
 大きさは50〜60センチ、色は灰褐色。目は大きくて夜行性、昼間はほとんど気楽に眠ってる。また、頭の形は頬かむりしているような姿。

 だが、同種に木菟(みみずく)がいる。そやつはミミズを食うから「みみずく」かとオヤジギャグで解釈したが、これが違った。
 【梟】にはない耳が突き出ているので、「木」の耳のある「兎」(ウサギ)。「木菟」となったそうだ。

 そんな従兄弟を持つ【梟】(ふくろう)、冬の季語となっている。なぜなら【梟】、特に冬の夜に「ホーホー」、その鳴き声は哀愁があり、心に沁みる。
 それでなのだろうか、えらくネガティブに──「ぼろ着て奉公」
 鳴き声をそう聴く人たちが多かったとか。

 そんな【梟】だが、今は『不苦労』に『福郎』、そんな置物やアクセサリーとなり、各家庭に多く棲みつくようになった。
 そして、今夜も鳴いてくれるだろう───宝宝(ほうほう)と。