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②映画を撮りたいPart1 - 大槻ケンヂにあこがれて

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映画を撮りたい Part1

 人にはそれぞれ好みがある。車やバイクが好きな者。アニメやゲームが好きな者。裁縫や編み物が好きな者。なんだっていい。14歳の子岩少年の場合、それはパンクロックとかわいい女の子であった。そしてもちろん、今でも変わらない。というか男たるもの、だれでもかわいい女の子が好きなのだ。どんなブサイクでもハンサムでも福山雅治でも、そりゃ可愛い女の子が好きなのである。天気や体調によっては、可愛くない女の子だって好きなのだ。言ってしまえば男の子は女の子が大好きなのだ。
 
子岩少年は特に、テレビや映画に出ているキラキラした女の子が好きであった。柄にもなく目をキラキラしては昼夜問わず映画を見て、流行りのドラマを楽しみに家へと帰った。14歳でなくなってもそれは変わらず、学生演劇に手を出してみたり、受験勉強をサボって映画館に逃げたりしたものだ。

 そして今現在の私は改めて思うことがある。

 ・・・映画を撮りたい。

何を今更言っているんだ子岩、と仰られる方もいるかもしれない。エッセイを書く、と言って2回目で今度は筆を執るのをやめ映画ですか、と思われるかもしれない。

 だが聞いてほしい。

 別に私はビリー・ワイルダーのような凝った脚本を書いて、観客をアッと言わせたいのではない。はたまたスピルバーグが監督するような壮大な作品を作って、観客をハッと言わせたいのでもない。私はただ、キラキラした女の子をフィルムに収めたいのである。

 結局、男の子とはそういうものなんだと思っている。好きとか嫌いとかめんどくさいとかうっとうしいとかそういう感情からは離れて、キスしたいとかセックスしたいとかそういう欲望からも離れて、キラキラした女の子にあこがれる思いを男の子は持っている。自身では持ち得ないから?わからないが、事実、キラキラした女の子を描いた映画はたくさん存在している。ストーリーはめちゃくちゃ、演技は棒読み。それでも子岩少年はそういう映画のキラキラした女の子に惹かれ、育ったのである。

 決めたらすぐ行動。これは成功者の鉄則らしい。私は映画を撮るときに何が必要かを考えてみた。

 そうだ・・・とりあえず・・・「カメラ」だ・・・!

 後からマイクが必要とか、照明はあったほうがいいとか、いろんなことを知るのではあるが、それを知るのはもうすこし先である。

 知り合いに、なんか昔自主映画を撮っていて、今は映像編集をしている人がいるなー。となんとなくの情報をなんとなく思いつく。だが仕方ない。成功者の鉄則は「すぐ行動」である。持つべきものは友、だ。なんとなく連絡してみることにした。

「あのすいませんー。映画撮るとしたらどういうカメラがいいんスか?」

「え、映画撮るの?なんで?」

 女の子を撮りたいので、というと誤解されそうだし、下手に通報されても困る。私は頭を捻り、エッセイ書くときのネタにしようと思って、と軽く言うと、えっエッセイ書いてるの?と困惑されたが、

「今の流行りって綺麗な映像なんだよね。わかる?映像美。だから、イメージするような映画用のカメラとかじゃなくて、一眼レフとかのムービーで撮るのが多いかなぁ。一眼レフって持ってても損しないし、おすすめだよ。」

 と親切に教えてくださった。わかる?と言われても困ってしまうが・・・。8mmとか16mmなどという私の今までのイメージとは違ったが、映像美という言葉がピンときた。そうだ、キラキラした女の子を撮りたいのである、映像美とはまさに私に向いているではないか。

 だが、機械オンチな私である。1眼レフ、という言葉だけを頼りにカメラを購入してしまっては、私はすぐに挫折してしまうだろう。

 ウームと考えていたのだが、またすぐに思いついた。持つべきものは友・・・。他の知り合いにカメラをやっている子がいるのを思い出し、相談してみると、

「それだったら使ってない一眼レフあるんで貸しますよ。」

 とのことである。どうもその知り合いはアナログが専門で、とりあえず一眼レフを買ったものの、あまり使うこともないので、とりあえず貸してくれるという。感謝してもしきれないが、アナログ専門!?カメラの世界は分からない・・・。が、とりあえずこれでカメラは用意出来た。

 が、甘かったのである。マイクがないから?照明がないから?いや、私の問題はその域にも達していなかったのである。

 はたして、私は誰を撮ればいいのだろう。

 ・・・映画を撮るには、人が必要だ。ましてや私は「キラキラした女の子」を撮りたいのである。映画の脚本に則り、丁寧に美しくカメラ収め、作品にしたいだけであり、決して人に言えないような趣味などがあるわけでもない。人を丁寧に撮れば、それが映画になるのかもしれない。だが、人がいなければ話にならない。ましてや得体のしれない映画に出てくれるような「キラキラした女の子」の知り合いはいなかった。

 持つべきものは友、である・・・。