小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
理不尽な現実
理不尽な現実
novelistID. 52992
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

この世とあの世、なぜあの世の方が忙しい⁉︎ 2

INDEX|1ページ/1ページ|

 
『着いたよー!ここがこれから響くんが住む所だよ‼︎』
 案内された場所は普通のマンションだった。
 つーか俺が住んでたマンションより綺麗で豪華だ......。
 まぁその辺はやっぱ天国って事だな!
 納得、納得。
『どう?気に入ってくれた?』
『はぁ......まぁどーにか暮らせそうです。』
『あっ!別に仕事してない時は敬語じゃなくていいよー。私あんまり敬語好きじゃないし!』
 てことは仕事してる時は敬語じゃないとダメなのか......。
 その辺はやっぱしっかりしてるな。
『わかった。仕事以外の時はタメ口で話すよ。』
『うん!そーして!じゃあ部屋に案内するね‼︎』
『んじゃあ、お願いするよ。』
『君の部屋はここね!102号室。トイレもキッチンもお風呂もあるから安心してね!』
 マンションの見た目と同じように部屋も前に住んでたマンションより綺麗で広かった......。
 なんだか複雑な気分だ......。
『あと後でお隣さんに挨拶してねー。まぁちょっと変わってるけどいい子達だから仲良くしてね!』
 変わってる....?
 変わり者の雫に変わってると言わせる人達ってどんな人達......?
 安らぎの国的なとこにいるのに不安要素がもうできたよ......。
『出来る限り努力するよ....。』
『生活に必要な物はそろってるから問題ないね?欲しい物は後で買いに行けばいいよね?んじゃ困った事があったら言ってね!』
 と言い残し、雫は部屋から出て行った。
 生活用品は揃っているし部屋もピカピカ、食材も沢山入っている....。
 素晴らしくやることがない。
 雫に言われた通りお隣さんへ挨拶しに行くことにした。
 ピンポーン。
『こんにちはー。今日隣に引っ越して来た久我響です。』
『はーい。ちょっと待っててー!』
 うん?
 女の子だな....。
 どんな子だろうか。
 そんな事を考えていたら扉が開いた。
『やぁっほー!君が新しく引っ越してきた人だね⁉︎私は東雲 伊織っていうんだ!まぁ上がってよ。』
 どーみても俺より歳下の中学生くらいの小さくて、可愛らしい女の子だった。
『じゃあお言葉に甘えて....。』
 一歩部屋に入るとお酒の匂いが充満していた。
『酒臭さ‼︎お前いくつだよ⁉︎未成年は飲酒しちゃダメなんだぞ!』
 しかも部屋の中は散らかっていて、足の踏み場が全然ない!
 どんだけダメな生活してんだよ⁉︎
『失礼だなー。私は死んだ歳は早いけどこっちに来てからはもう30年以上たってる大先輩なんだぞー!』
 え?
 じゃあ見た目は中学生なのに中身はババアなの?
 どんな詐欺だよ‼︎
 コ○ン君もびっくりだな......。
『あと、お前じゃなくて伊織さんか伊織たんと呼んでね!』
 ロリババアにウィンクされた....。
 見た目はスゴく可愛いのにあんま嬉しくない。
『じゃあ、伊織って呼びますよ。なんとなくさん付けしたくないので。』
『えー。響のいけずー。まぁお前よりはいいか!』
 とりあえず伊織自体も酒臭い....。
 もう我慢できん!
『伊織この部屋きたな過ぎ!掃除するから風呂入ってこい!』
『え?響部屋掃除してくれるの⁉︎』
『きたな過ぎて我慢できない!伊織も酒臭いから風呂入ってこい!』
『わかったよー。でも欲情して覗いちゃダメだよ?』
『頼まれても覗かねーよ‼︎』
 ものすごくイラっとする捨て台詞を残し伊織は風呂に入っていった。
『さて....こっちも始めるか!』
 掃除道具は全て揃っていたおかげか、部屋の掃除は伊織が風呂から出てくる前に終わらせる事ができた。
 我ながよくやったと思う。
 あのきたなくて酒臭い部屋がこんなに綺麗になったんだし‼︎
『掃除ははかどってるかーい?』
 自分を褒めていると伊織がラフな格好で風呂から出てきた。
『掃除ならさっき終わったよ。』
『おぉ!響は優秀なんだねー!』
 なんだお母さんに褒められてる感じだ....。
『もしかして料理も出来たりする?』
『一応作れるといえば作れるけど。』
『お腹減ったからなんか作って!』
 と、上目遣いでお願いしてきた。
 上目遣いはズルいだろ....。
 中身がおばさんとわかっていても抗うことはできなかった。
『わかったよ。テキトーになんか作るよ。ついでに自分の分も作っていい?』
『全然いいよー!ご飯は一人で食べるより二人で食べた方が美味しいからね!』
 さて、何を作ろうかな。
『親子丼でいいか?』
『私は食べられるものならなんでもオッケイだよ!』
 といいながら、伊織はまた酒を飲んでいた。
 残念な人なんだな......。
 じゃあ親子丼と伊織がなんかつまむものでも作るか。
『できたよ。』
『おぉー!美味しそうだね!』
『あとこれ、つまみ作ったから。』
『響は気がきくねー!お姉さんは響のことを気にいったよ!』
 お姉さんかどうかは置いといて、褒められるのは気分がいい。
 素直に嬉しい。
『いやースゴく美味しい!まともなご飯を食べたのは久しぶりだよ!いつもはその辺で買ったお惣菜かお酒だからねー。』
『伊織は自分でご飯とか作らないの?』
『私料理作れないからね!逆にこの部屋と私を見てわからないの?』
『愚問だったわ....聞いた俺がバカだった....。』
『雫ちゃんとは仲良くできそう?』
『あー。仕事モードのスイッチが入ってる時と入ってない時の差が激しいけどまぁ普通にいい人だから仲良くできるかな。』
『ならよかった!雫ちゃんは友達私くらいしかいないから仲良くしてあげてね!』
 さらっと悲しい事いったな....。
『わかったよ。もう一人のお隣さんにも挨拶しないといけないから帰るね。』
『それは残念....。んじゃまた来てね!そして一緒にご飯を食べようね!』
 作るのは俺なんだが....。
『じゃーな。』
 確かに普通の人ではなかったが伊織とは仲良くできそうだ。
 さてと、次のお隣さんに挨拶しますかな。
 ピンポーン。
『こんにちはー。今日隣に引っ越してきた久我響です。』