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ダツゴク

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どう考えたってこれは軟禁状態ではないか。
と、その結論に至ったのはそれこそごく最近で。


母が言った
「あなたは何をするかわからないから」

連れ合いが言った
「何もしなくていいから」

生ぬるい温度のこの場所で
何、不自由なく与えられ。

それでも僕は何かが足りていない。

居心地は悪くない。
とてつもなく甘やかされているこの場所。

ここから抜け出せればきっとそれなりの痛みを被ることもあるだろう。

けれども足りていないものはこの場所では探せないのだ。

不要なものは削ぎ落として
足りていないものが何かを見つけたい。

多少の犠牲はやむを得ない。
それこそ、生きてこそ、の痛みならば甘んじて受けよう。




だから、僕は檻をやぶる。

作品名:ダツゴク 作家名:アメ