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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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言葉文字触れる眼差し

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真夏の日差しのなかに

白い大きな花が咲いている

皺になったスカートのような感じが

君に初めて逢った頃を感じる

そんな花に声をかけても

かすかな振動が届くだけだろう


真夏の百日紅の木に

インコが停まっていた

鳥かごから飛び出して来たのだろう

「籠にお帰りなさい」

文字を見せたけれど

死の危険を背負いながら飛び立った


真夏の暑い日に

迷い犬が来た

喉元を触ってあげると嬉しそう

しっぽを振るその犬には

首輪に電話番号が記されていた

やっと出会えたのに


真夏の暑い日に

君のまなざしを感じた

僕の言葉も文字も君には届かなかった

触れてみたい

君の眼差しに


真夏の暑い日差しが

君の眼差しのように

君の眼差しが

真夏の日差しのように

僕は感じる


触れてみたい

触れてみたい

眼差しに