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アイランドKスケ
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novelistID. 50744
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アンドロイドの子たち

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アンドロイドの時代。

ここは人以上にアンドロイドがありふれ、利便を追求する時代。

人は理想を手に入れ、考え得る欲求を達成する時代の訪れを感じていた。

理想の暮らし、理想の環境、理想の経済、全てが機械やアンドロイドによって計算され、動かされ、理想を世の中に絶えず生み出す世界が成り立っていたからである。

しかし、ここにきてなお解決できない最後の課題がひとつあった。

理想の恋愛である。

これまで理想へたどり着く様々な方法が試みられたが今までのどれもが完全なものとは成りえなかった。

恋愛に関しては数値として計算することが難しい上に失敗を犯すとやり直しができないという問題があったからだ。

それに対してはひとつの答えが出てはいたが、恋愛への通念や倫理問題上それを良しとしなかった。

ところが、技術の発展は人の解釈をより広げることになる。

アンドロイドは時間とともにその姿を変え続け、高度な技術によって知性や微妙な性格のコントロールまでできるようになっていったからだ。

それはもはや外見からは人間とは見分けがつかない代物で、人々はそれを恋愛の対象と見なすようになる。

セクシャロイドであった機械たちに恋や愛という感情を持ち始めたのである。

当然の結果だった。人間ではやり直しができない恋愛もアンドロイドが相手であれば思うがままに成就させることができる。

男性は女性アンドロイドを、女性は男性アンドロイドを、いずれも容姿や性格、年齢のカスタマイズをし、それらの恋または愛のプログラムを楽しんだ。

それから間もなくして、生殖機能を持ったアンドロイドも開発された。

アンドロイドが母として子を産み、育てる。もしくはアンドロイドが父として家事を手伝い、子を養う時代になったのである。

そして、この頃、人々はアンドロイドに嫉妬という感情を抱き始める。

人類最後の理想に達したとき、そこにあらたな欲求が生まれた。

それは永遠の命。

全ての部分でほぼ人間になりつつあったアンドロイドたちが唯一人間らしくない部分、それが年齢を重ねることのないアンドロイドとしての寿命であった。

ついに人は人形を自分に似せるのではなく、自身が人形になることを決意した。

人は人であることを放棄し新時代の幕開けを遂げたのである。

それから長く終わることのない時代がやってきた。

常識や社会のルールは悉く変わっていった。

当たり前のように無限の時間が与えられた彼らにとって、もはや過去の有限の時代の考え方に囚われる必要はないからだ。

尊さの意味は薄れていき、さまざまな価値や感情が失われていった。

不死になり、子を作らなくなり、愛という感情さえも分からなくなっていく。

理想を手に入れた人類はやがてそれを失ったのである。

不死の時代に生まれた新アンドロイドたち。

あるときそこにひとつの欲求が生まれた。

「自分たちが失ってきた価値や意味、もともと持っていた感情を知りたい」

彼らは命が有限であった頃の人をある惑星に送り込むことを決める。

男と女を一人ずつ。

名をアダムとイヴと名付けた。