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宝の地図

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「ね、先生。今日は花火大会やってるの?」
「そうみたい。毎年八月一日なんだけどね。町のイベントったらそれくらいしかないんだ」
「その日に何か謂れがあるんじゃろか?」
「日清戦争の宣戦布告が八月一日なんですよ。その必勝祈願が謂れだとか」
「それなら私も知ってる、1894年だ」
「そうそう、明治二七年の事だ」
 明治に入ってからの乙浜は軍の施設ができ、軍需産業が盛んになり、その頃の町は活気付いたそうだ。それから戦争が終わって町は都市部へのベッドタウンと変化したが、当時にまつわるイベント事でも一番有名なのが花火大会らしい。昔それにまつわる映画があったらしく、二人で行くと恋が実るとかそんな噂がある。
「いいなぁ、私花火見たいなぁ……」
「地図の謎が解けたらね。さ、行くよ」
 先生は私が脱線したら止まらないのをよく知っている。そんな私の希望を保留して、調査を進めようと元気よく外に出て行った――。

作品名:宝の地図 作家名:八馬八朔