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ヤマト航海日誌

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『2199』は第15話と16話で話が全然違っている。第15話では〈オムシス〉の不調のために水と食料の補給が必要、狭い艦内生活で皆がストレスを抱えているから上陸を、なんて言っていたはずが、第16話では古代の他に数人だけが調査のための降下となって、水の補給は結局しない。

話がちゃうやん、「ハンカチを用意して待て」とか言ったのはなんなんだよ、と、おれなんかは見て思う話であったわけだった。

〈ヤマト〉の〈オムシス〉が生む食べ物が何を原料にしているか、知らない方が幸せだ。たぶん、サーシャが旅の途中で捕まえてきたビーメラ星人が宇宙船の中でまだ生きていて、古代と島がカプセルを回収ついでに運び出しているんじゃないか。実はサーシャが死んでいたように描かれているのは嘘で、あの時点ではまだ生きてるが古代と島が犯して殺して遺体を証拠隠滅のために埋めたのだ。

で、そのビーメラ星人こそが〈ヤマト〉の〈オムシス〉である。〈彼ら〉に〈ヤマト〉の乗員がトイレで出すもの、風呂から出るものを食わせて〈彼ら〉が尻から出すゼリーを太田も相原も、古代も島も飲んでいるんじゃないだろうか。

黄色と黒は勇気のしるし、24時間戦えますか。〈リゲイン〉なんて何が入っているか知れたものではない。それは昔から日本人が、キツネやタヌキに化かされて食べさせられてきたものと同じだ。新見もそれで頭をやられてトンチンカンなことばかり言い、「ビーメラ星に移住可能」と聞いたなら全人類を〈ヤマト〉一隻で連れて来れると思い込むようになるんじゃないか。

真田は「へっ」と笑いながらも無論事実を知っているので絶対に〈オムシス〉が作るものは食べない。「オムシスが不調」と言うのはつまりその内部にいたビーメラ星人が死んでしまったと言うことであり、「補給のために立ち寄る」と言うのも実は〈シーガル〉で待機を命じられる者達が、話に描かれないところでビーメラ星人を捕まえている。必要な数の確保ができたので〈ヤマト〉は旅を続けられ、水については最初から不足なんかしていなかった……。

ビーメラ星人の不幸についておれは涙を禁じ得ない。皆さん、ちゃんとハンカチを用意していましたか。彼らのために泣いてください。



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之