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ヤマト航海日誌

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2018.6.28 肝臓癌進行告知



二次サイト〈ハーメルン〉に『敵中』を題を変えて出している。で、毎日アクセスの解析ページを見ているんだが、こないだおもしろいことが起きたので報告しよう。

いや、もちろん今に読む君に報告するんじゃないよ。君みたいな低脳に何を教えてもしょうがない。君みたいなボケナスがいま現在に何百人もおれを狙っていたことが後で読む人にわかるようにこれを書いておくだけさ。

君らがおれの『敵中』の目次だけを覗いてたのは知っている。このサイトでは目次だけなら数字はカウントされないので君らがそれをやっていてもどこにも証拠は残らないが、〈ハーメルン〉は違うんだな。日々の解析ページを見れば〈UA(ユニークアクセス)〉とは別に〈目次PV(ページビュー)〉という項目があって、その日は何人が目次ページを見たか記録されるのだ。そしていつまでも残されて誰でも見れる仕組みになっている。

だいたい、日々の更新で『コスモゼロ』の〈UA〉と〈目次PV〉の数はほぼ同じ。目次のページを開く人は、まあ確実に小説を読んでくれてると言うわけだね。冷やかしでアタマだけを眺める人もごく少ないらしいとわかる。

ところがこのあいだ、6月20日のこと――いつものように更新がてらに解析ページを見たおれは、己の眼を疑った。表示された数字がなんだか変なんですよ。

〈目次PV〉の値がやたらに大きいんですな。『大きい』と言っても多寡が知れてはいるんだけれども、他の日と比べてあまりに異常な数が……どういうことかここに書くより、ちょっと覗いてご覧になればよくおわかりになるでしょう。リンクをたどって見てきてはどうか。

今月20日。この日だけ、なぜか、なぜか、『コスモゼロ』の〈UA〉と〈目次PV〉との数字がかけ離れた値になっている。目次ページを開きながら小説ページは開けなかった人間が126人いるのだ。普段は十人といないと言うのに、126人!

それがバッチリ記録に残っているわけである。そしてもうひとつ、〈全体PV〉という項目があって、これがまたこの日だけ異常な数値を記録している。これで初めて知ったのだが、どうも〈全体〉と言うのには小説以外の〈感想〉だの〈アクセス解析〉だののページも含むようなのだね。この日に目次を開いたものの小説ページは開けなかった126人はみんながみんな、情報だけをコソコソと覗き見ていったのが一目瞭然なのだ。

しかも、変なのはこの日だけ。翌21日はそれ以前と同じように〈UA〉と〈目次PV〉はほぼ同一の数字となった。



 6月20日に果たして何があったのか。



おれには想像するしかないが、19日の更新が『呪われた男』だった。沖田が艦長室にいて、「冥王星の敵が動いた」と言われて「わかった。すぐに行く」と応えるところで終わっている。これをこの日に読んだ人間は百に満たない。

なのに翌日、目次を覗きにやってきたのが126。これはつまり、読んだ数十人の中に、「『冥王星に〈ヤマト〉が行くとき敵はいない』と沖田が言った理由があした明かされるらしい」と情報を流した者がいて、それがたちまち広まったのか。しかし、にしても、あまりに早い。

どこかおれの知らないところに、『コスモゼロ』を読みながらその日の更新内容をツイッターにでも書いてる者がいるのかしらん。その彼は『コスモゼロ』イコール『敵中』なんてことは知らないけれど、毎日毎日食い入るようにフォローしている126人は知っていて、しかし『ゴルディオン』が読めないために冥王星が〈スタンレー〉になる理由がわからない。で、「明日か! 明日がその日なのか! 明日が島田のすべてを盗み、眠っていたオレの才能が目覚める日なのか!」と思い込んだと。しかし翌日、目次を覗いて、


「アッ、なんだこりゃ、ガセじゃないか!」


そんなところなんですかね。そうとでも考えなけりゃ説明つかんと思うのだが、彼らは小説ページさえ開かなければカウントされないと思い込んでアレコレ覗き見ていった、と。しかし後で、その全員、自分と同じことしたバカが125人いたことを知った……。

どうやら遂に、おれを読む者の大半がおれを盗むのを企む証拠をハッキリと眼に見える形で掴んだと言えそうだ。〈ハーメルン〉6月20日のアクセス解析ページこそがそれ……いやもう、その126人は当分おれの『コスモゼロ』に近づかんだろう。

しかし、だからと言ったところで、おれを盗むのをあきらめた者もひとりもおらんだろうな。そしてこの者達は、氷山の一角に違いない。おれを盗もうと狙う者は水面下で急速に数を増やしているところで、この一件はその一部が頭を出したに過ぎんのだ。そして今後はますます深く深く潜り、氷を大きくしていくのだろう。

あるいは、肝臓癌のように。肝臓が声を出さない臓器なのをいいことに、人知れず病巣の根を広げていく。おれが〈ハーメルン〉に投稿を初めて五ヶ月足らず。そのうち、癌細胞が急激に増えだしたのはこのひと月ばかりのことと思われる。来月には何倍も増え、再来月にはその数倍に数を増していくことだろう。

癌細胞のほとんどは、おれが毎日投稿を続けても冥王星の戦いが終わるまでに半年以上、たぶん来年の春までかかると言うのを知らない。この日誌を読んでる者は、ごくわずかしかいないからね。だからきっとあと二ヵ月くらいで冥王星編が終わり、そこで盗めばいい考えで、それを完璧な計画と思い込んでるわけなのだ。

そんな市橋達也どもが癌のように増殖している。病巣は今後数ヵ月間に凄まじい大きさに膨れ上がり、あちらこちらに転移していくと予想される。そして臨界に達してガーンとなるわけだ。そうなったらもうあかんのは君のウニの卵巣より小さな脳でもわかるだろう。

と言うわけで君、おれを盗んで君のサイトに出すのであれば今のうちだ。明日ではもう遅いかもしれないぞ。な。すぐ出せ。すぐにやれ。

だって自信があるんだろう。これはバレない。バレても平気。成功すれば必ず正当化ができて、この『ヤマト』を書いたのは島田じゃなくてオレなのだ、オレの作を島田が盗んだのだと言えば誰ひとり疑うはずがないのだと。

ウン、たぶん、君の考えが正しいんだよ。だから早くおやんなさい。誰かに先を越されていいのか。

それに案外、君の肝臓は癌に侵されていたりして、余命半年の体なのかもしれないよ。どうせ死ぬなら生きてるうちに、ひとつガーンとデッカイことやってはどうかね。



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之