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愚者3

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新しいもの好き

古井和夫は新しいモノが好きだ特に車は・・
注目を受ける車、高い車、人が欲しがる車・・彼にとって車は一種のアクセサリーなのかもしれないお金は店から出せば幾らでもあるから後は選ぶだけ
車庫証明だけでも店の敷地の半分くらいはもうとってしまっているだろうか
クラウン、セルシオ、レクサス、ベンツ、BMW、アウディ、シボレー、ポルシェ名だたる高級車を彼は好んで買ってきたけれど飽き性なので直ぐに売り飛ばし次の車を物色するのだランクル100が流行ればすかさず買い、チューンに200万ほど突っ込んで飲み屋街を嬉しそうに見せびらかして乗り回すも運転が下手なので周りに接触しまくりで、幅が大きすぎると売り飛ばし、ポルシェなんて結局乗り難いし音がうるさいとか本当はポルシェのスペックを乗りこなせないのだがそこは認めたくないので難癖を付けては売り飛ばし、ベンツSクラスAMG仕様を買うも2枚ドアはドアが重たいと売り飛ばし、結局のところセダン型の高級車に落ち着くのである・・
会社のお金で買った車は彼に腰ぎんちゃくのように付いて回る中古車屋の森尾に売られていく売ったお金は古井和夫の個人の手に渡る
ん?何かオカシイって?法人で買った物を売ったら法人にお金を戻すべきだろうって?
それは世間の常識でここではそんなものは必要ありません。
古井和夫のやりたいようにやるのがここの常なのです。もちろんご機嫌の時は大盤振舞いですよ私にも新車のクラウンを買ってやろうと言い銀行に入金行ったついでにトヨタに行ってカタログを貰って来いと・・
最初の1日は古井和夫が乗り後は私が乗っていいと!色はモチロン黒だ!
19インチのメッキホイールを入れてエアロ組んで最高にしようと!
そして銀行回りを終えてトヨタに寄りクラウンのカタログを貰い店に戻ると古井和夫は私に一言
「やっぱ中古でえーか?50万ぐらいのん探してこいや・・」
一瞬でもクラウンの新車を期待した私がバカでした、せめて今日1日気まぐれの大盤振舞いが続けばクラウンの売買契約書にハンコを押してしまえば完了だったのに・・
どうせ古井和夫の事だからとわかりつつも乗ってしまった自分が愚かしい今日この頃
こんな事は大なり小なり多々あるんですが・・何事もやられると悔しいモノです
私事なら腹に収めれば済むのですが後々にスタッフにやったことで古井和夫は大きなしっぺ返しを食らわされることになるとはこの時はだれが予想できたでしょう・・

作品名:愚者3 作家名:松下靖