人類 ①最弱人間
『人は滑稽で,つまらない生き物である』
また,ある有名人はこう言った.
『人は考える生き物で,何事もやり遂げる事の出来る楽しい生き物である』
このように人にも様々な種類と考え方が存在する.
今章では,人の中で最も才能に特化している人間の種類,『最弱人間』について語る.
人類 1章 ≪最弱人間≫
『会社なんて個性を潰す場所だろ.行く必要ない』
ふと,そうつぶやいた少年の名前は小竹 無月(今後 コダケと省略),心理大学院卒業のフリーターである.
「ドン!!」
コダケの目の前にコーヒーが入ったコップがおかれる.
「お前またそんな事言ってんのか!だっせえなあ!」
高校の時の親友,孤独 剛(今後ツヨシと省略)である.高卒である彼は,一般的にヤンキーと言われる部類だ.何故俺がこのヤンキーと親友になったかは後に語るとしよう.
今日はツヨシに相談を聞いてくれと頼まれ,カフェに集まったのだ.
時間は夕方6時を回ったところだろうか.
「んで,本題なんだけどさ・・・」
ツヨシはそう言葉を吐き,相談が始まる.
どうやら,相談と言うのは,仕事場に卑屈な男がいて,どう付き合ったら良いかという相談らしい.その卑屈な男の名前は仮にケイと名付けておく.
ケイは,何をするにも自信が無く,殆ど喋らない.見た目は一般的に”ヲタク”と呼ばれる人種らしい.とある木材を運ぶ作業で,メンバーとのコンフリクトが発生した.ケイがマイペースに木材を運んでいた所に,「遅い」とメンバーが投げかけた際,ケイはヒステリックになり,喧嘩となったらしいのだ.
『へえ,なるほどね それからどうしたの』
「そのままあいつ帰っちゃってさー! 明日顔合わせすんのめんどくせえわ!」
『なるほどね.それならまず,ツヨシに人類の仕組みから理解してもらう必要があるね』
「めんどくせーなあ」
『まあまあ・・・』
俺はそう宥め語り出した.
人類という文字は『人の種類』と書いて人類と呼ぶ.冒頭でも語ったように人には種類が存在するのだ.その種類を無意識に把握し,対応できる人間は”コミュニケーション能力が高い”と言える.
今回俺がツヨシに語ったのは,生まれつきもった”パラメーター”である.人には,かなり大きく分けて16種類の人種が存在する.その一人一人にパラメーターが存在しており,それは生まれつき持った物から経験で得た者と様々だ.人は必ずしも2つ以上の才能を持っていると言われるのは,生まれた時に決められる初期パラメーターによるものだ.
生まれつき,人は100という初期値と10の項目が設定されている.
例えば「力」「健康」「会話能力」「記憶能力」 と項目は人により様々だ.
しかし,100という初期値は皆平等である.各10振られると万能人間となり,特化や個性は見られなくなる.しかし,凹凸やばらつきが出る事により「最弱人間」や「最強人間」が生まれるのである.
もちろんこれはDNAも関係しているが,それは後の章で語るとしよう.
『こんな感じかな ケイは最弱人間だね』
「だよな!マジうぜえもん」
『でもね・・』
そう言い俺はまた語り出す.
最弱人間と言うのは パラメーターが 通常10の所,コミュニケーション能力や外見に現れる部分に1~3ほどしか無い人間の事である.しかし,偏っているという事は,『最弱人間=最強人間』でもあるのだ.華の偉人は,必ずしも中学退学・犯罪などのマイナス要素を背負っている.その変わり,特殊な力を発揮するのだ. 全ての人間は±零であり,これに不平等は無い.見えるか見えないかの差なのだ.
「つまりケイにも良い所があるって事か 本当か?」
『探してみるといいよ』
時計を見たらもう夜中になっていた.
その場を解散した俺とツヨシは,次会う日を約束し,解散した.
それから1週間が経過し,ツヨシは遺体で発見された.
恐らく俺も,明日には死ぬことになるのだろう.
この話は,俺,小竹 無月が死ぬまでの日記を,出来るだけ分かり易く伝える物語である.
次回 『サイコパスの天才・中二病の天才』