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女子外人寮

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買物の運転手に


毎日、女達を送りながら、何か嫌な事が有れば(文化の違い・文化の違い)って呪文のように言うようにした。そして、はるか遠くの中国のどこかの田舎に、両親や夫や子どもを残し、はるばる日本までやって来て、3年でほぼ全員300万円程貯めて帰国すると言う彼女らを逞しく思い始めていた。

そんなある金曜日、いつも隣に座る日本語が少し出来る女が俺に言った。
「お願いします。あしたスーパー行きたい。みんな買物」
「・・・いいよ」 俺は少し躊躇ってから同意した。仕方がない、彼女達は自転車しかない。しかも寮からは遠い。
中国人が買い物に行くスーパーは生鮮野菜が安い。けれど鮮度が悪い。日本人も安いだけで満足する連中が行く店だ。

土曜日になった。寮までいつものように2組の女達を送った後、ワゴン車で買い物組の人数だけ連れてスーパー〇〇へ出かけた。

ワゴン車の中で俺はタバコをくわえながら、女達の買い物の帰りを待った。

女達が帰って来た。両手にスーパーの袋を吊り下げて、けれどその量は大したことないように見えた。その中にひときわ大きな段ボール箱があった。中には野菜が入っていると言う。実際はスーパーで買い物客が捨てた、キャベツや白菜の剥きガラだった。汚れたり腐ったりした部分を集めたのを貰って来たのだ。

そう言えば女子寮に言った時、玄関にホールに段ボールを敷いて白菜の葉っぱが干してあるのを思い出した。
こういう風にして、野菜も手に入れて節約しているのか、それとも干して調理するのか俺には解らなかった。だだ節約できる事は確かだと思った。

寮に着いた時

彼女達は思いがけない事を言った。

「ありがとう、お休み」って。
作品名:女子外人寮 作家名:桜田桂馬