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アナザーワールドへようこそっ!  第二章  【043】

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「すまない。わたしは確かに君の事は知らないが、『ミラージュ家』というのは………………よーく知っている」

 すると、ヴィクトリア・クライフィールドも表情が少し真剣さを増し、同時にオーラを全身から発散し出した。

「くっ!…………な、なんて『威圧感』…………ですの」

 フレンダ・ミラージュは、ヴィクトリア・クライフィールドの『威圧感』に、少し、顔を濁した。

 顔を濁したフレンダ・ミラージュと、『威圧感』をどんどん上げていくヴィクトリア・クライフィールドが対峙してると、『一人の少女』が二人の間を割るように入ってきた。

「お兄ちゃん、お貸りしまーーすっ!」
「!?…………シ、シーナッ!」

 と、シーナは俺の手を掴み、そのまま、フレンダ・ミラージュとヴィクトリア・クライフィールドに一言挨拶して、その場を走り去っていった。

「なっ…………シ、シーナッ?!」
「ふっ…………シーナ君。相変わらず、かわいいな」

 フレンダ・ミラージュは、シーナの突然の出現に驚き、ヴィクトリア・クライフィールドは笑いながら一言つぶやく。そして、二人が去った後、

「おい、ミラージュ家の娘っ!」
「な、なんですの……?!」
「私に名前を覚えて欲しくば…………『全地区魔法士大会』で勝ち上がってこいっ!」

 ヴィクトリア・クライフィールドは、フレンダに対し、煽るような発言をした。

「望むところよっ! むしろ、そのつもりでしたのよっ! 絶対に『本選』に勝ち上がって、あなたと勝負しますわっ! 楽しみに待っていてくださいですわっ!」

 フレンダ・ミラージュも、ヴィクトリア・クライフィールドの『威圧』に負けず、その挑発に真っ向から答えた。

「ふふふ…………楽しみにしているぞ、ミラージュ家の娘」

 そう言うと、ヴィクトリア・クライフィールドはその場から去っていった。

「あ、あれが…………あれが、あの有名な『クライフィールド家の天才児(ニューエイジ)、ヴィクトリア・クライフィールド』。噂にたがわぬ、バケモノ…………ですわね」


 そう言うと、フレンダ・ミラージュは、いつの間にか、力いっぱい握り締めていたコブシを開いてみた。すると、その手の平は汗でビッショリと濡れていた。