とある女と酒の唄
独りで街を歩きます
今は隣に もういない
貴方の面影 追いかけて
貴方と初めて逢ったのは
たまたま入った居酒屋で
吞めもしない焼酎を
無理矢理 吞んでたときでした
カウンター席の右端で
壁にもたれて目をつぶる
私の隣の空席に
座った見た目のいい男
その手に持ったグラスには
琥珀色したブランデー
優しく響く貴方の声が
心の中に沁みわたる
貴方がいなくなってから
同じ居酒屋のあの場所で
未だに吞めない焼酎を
無理矢理 吞んで待つ人は
琥珀色したあの酒を
持って私の空席を
埋めてくれるただ一人
優しい声音のいい男