透明な音符【詩集5】
夜の街並
忍び寄る夕暮れの中
ひとつふたつと明かりが灯る
コンクリートとアスファルトでできた無機質な駐車場を寒々しく照らす
1日を終え、疲れて家路につく人々を静かに照らす
手を取り合って笑いさざめく恋人達を優しく照らす
暗闇を切り裂く無機質な自動車のヘッドライト
ぎらぎらと光を投げかける濃密なネオンサイン
家々の窓に灯る小さな明かり
遠くのビルから暗い空ゆく飛行機に投げかける光が明滅する
暗闇の中に点々と、あるいは煌々と
だが闇はそんな人の営みをあざ笑うように
世界をすっぽりと包み込んでいる
作品名:透明な音符【詩集5】 作家名:maki