ブルーダイヤモンド
リキテンシュタインのアパルトヘイトを観て涼香は感動した。白と黒と黄色のたての曲線があるだけの絵である。調和して単純ながらも美しい。静かだ。涼香は画家になってみたいとこの時感じた。
「涼香の体そのままを認めてくれる方こそ、きっと涼香を幸せにしてくれる方よ」
母は成人式の日にそんな事を言った。
多村から交際したいと言って来たのは、個展の打ち上げの夜であった。
いつものように涼香はホテルに誘い多村に裸を見せた。
「こんな体でも好きと言ってくれるの」
「どこも何ともないし綺麗だよ」
「良く観てよ」
「おへそは手術で治る。1時間くらいだ」
「手術はしない」
「したくなったらすればいいさ」
「僕は偏見は持たないよ」
「信じていいのね」