怖がりラプソティ
泣きそうな顔で自分を見つめる彼の顔。
ほんと、情けないなぁ。
「いたい。」
手加減もなしに抱きついてくる大の男。
俺だって、立派な(この言い方変かも。)オトコノコだけど
やっぱり痛い。骨が軋むくらい。
「…我慢してよ。」
「やだ。」
「だめ。」
何がだめなんだか…。
溜息を落として、柔らかくもない胸に
埋まる頭をそろそろと撫でてやる。
「顔上げて。」
「ん?」
俺に言われたように見上げた顔。
きょとんとしていて、少し幼く見える。
でも、その表情は、やっぱり。
悲しそうで寂しそうで、ぎゅっと胸が痛くなった。
「なぁにー?ちゅうでもしてくれんの?」
全然楽しくもなさそうに笑って冗談を言う彼。
あーもう馬鹿め。
ちゅ
狭めのおでこ
ちゅぅ
少し赤くなったほっぺた
ちゅっ
高い鼻
最後に可愛らしい唇
ちゅっちゅ
「…びっくりした。」
「別に言われたからじゃないから。」
「…恥ずかしい。」
「今更。」
俺だって恥ずかしい。
頬が赤くなってるんだろうな、きっと。
すごく熱いから。
でも、はにかむように笑った彼を見て、満足に似た気持ちになった。
俺って、とことん馬鹿みたい。
「ごめんね。」
ちゃんと聞こえてる?
こわいのは一緒だから。
大丈夫だよ。