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あなたにどう?

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朝の目覚めは、心地よかった。よく覚えていないが、創造マドンナさんに会えたこともそれを増幅させていた。仕事への意欲も、いや仕事を早く切り上げ、パソコンを開けたい。
思った通りに その日の夜には 帰宅した。
いつも通りの夜。パソコンに向かう。SNSにログイン。

「あ」

僕は、その声にならない音を発して固まった。パソコンのようにフリーズした。
でも、視線だけは一点を見つめていた。まあこれもくぎづけ、動けない。動かない。動きたくない。

知ってたこの仕組み? 何、言ってんだ?

広告が張りついていた。
いつものことさ、広告欄があるのなんて、検索したんだからあったりまえさ…では済まなかった。僕の鼓動が、いきなりダッシュモード。どれかのキーを押して 消えてしまったら 絶対後悔する。絶対だ。
僕は、静かにヘッドフォンをはめ、音量をあげた。咳払いをひとつ。
「緊張しますね」
「ええ、まあ」
耳に届いた言葉。まさかね。
「出てきたキミがおしゃべりするわけないよね。したら嬉しいな。そんな妄想の話を書いてみようかな(笑)」
「ええ、書いてみて」

その夜から、創造マドンナさんが広告欄に張り付いた。
僕の指さし矢印は、悪戯や悪ふざけをしては、拗ねられたり怒られたり、不思議なヘッドフォンから声が聞こえた。そう、スピーカでは、聞こえないのだ。

僕の奥さんが パソコンを借りに来ても後ろで様子を窺う。創造マドンナさんが見つからないように、いつでも対処できるようにと さり気なく構えていた。

キミの声がする。創造マドンナさんが、少しリアルに感じられた。
画像も創造マドンナさんなのかなぁ。怖くて訊けない。このままでいい。
いつか 広告欄は消えてしまうのだろうかという不安と毎日背中合わせだ。
日数が延びればと、何度か検索してみるけれど、創造マドンナさんは検索エンジンに登場しない。

作品名:あなたにどう? 作家名:甜茶