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彼奴。

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俺は男だ。
(改めて言う事では無いかもしれぇけど)

男だから、好きになるのは異性である女を好きになるのが普通。
が…気が付いてしまった!!
幼馴染みの彼奴が好きだと言うことに。

小さい頃から仲が良かった俺と彼奴。
一緒にいて楽しいく居心地が良かった。
小学生の時は多分…一番のダチって思っていたし、お互いにクラスの女の誰が可愛いとか言い合っていたから恋愛感情は無かったと思う。
中学に入ってクラスも別々になって
俺はバスケット部
彼奴は美術部と別の部活。
帰りは最初一緒だったが、バスケ部の終わる時間が美術部よりも遅い事もあって、次第に一緒に帰る事が無くなってしまった。
いつも一緒良だったので、別々の行動をすることに最初はちょっと戸惑って寂しく思ったが、直ぐにバスケの仲間といるのが楽しくなってそんな気持ちは忘れた。
だから本当はこのまま離ればなれになってしまうのも不思議じゃ無かった。

中二の二学期に入った頃だったと思う。
クラスの用事で部活に行くのが遅れてた時があった。
体育館に向かう途中の渡り廊下で彼奴の姿を久々に見掛けた。
部活に遅れていたものの、ちょっと声を掛けようかと思って彼奴の名前を呼ぼうとした。

が…出来なかった。

彼奴は一人じゃなくて多分三年?の先輩と一緒だった。
たまたま一緒だったのかも知れないし、そうじゃないかも知れない。
それは分からない。
分からないけれど、一緒だった先輩が、彼奴の頭の上に手を置いて笑っていて、彼奴も嬉しそうに笑い返しているのを見たらなんんだか声が掛けられなかった。

なんで声が掛けられなかったのか?

……分からなかった

その時は。


それから彼奴の事を目で追うようになって、彼奴が誰かと一緒にいるとなんだかイライラした。

そんな奴に笑うな

そんな奴にさわるな

彼奴に話し掛けるな

彼奴にさわるな

彼奴に…

彼奴が…

………。


好きだ。



気持ちに気が付いてからは、彼奴と接触を頻繁にするようにした。
疎遠だった俺が急に交流してきた来た事に、最初は不思議そうな顔をしていたが、次第に前と変わらない二人になった。
俺の気持ちだけは、前と変わっていたたけれど。


そして彼奴と同じ高校に入った。

彼奴の隣には俺が
俺の隣には彼奴が

相手に対する思いはお互い違うだろうが
今はまだそれでいい。

ゆっくり俺に染めてやる。
逃がさねぇから


「ナオ?どうしたんだ?ニヤニヤして」

「あ?俺、ニヤニヤしてた?」

「うん。すげぇニヤニヤだった」

「あー…、これからの高校生活が楽しみだから?」

「疑問系かよ?」

「いいだろ、リクだって楽しみじゃねぇの?」

「うーん。まぁね、ナオも一緒だしね」

「……」

俺に向かって笑い掛ける。
やべぇ、その微笑みやべぇ!!

可愛すぎじゃぇか!!

思わず赤くなってしまった顔をを隠すため彼奴の…リクの頭をグリグリと押さえ付ける。

「いたっ!!くそーっ!!俺より背が高いからって止めろ!!」

俺からの攻撃を外そうと、じたばたと動いて逃げようとするが…無理だろ?


「逃がさねぇよ」




いろんな意味でな(笑)
作品名:彼奴。 作家名:こまごめ