アナザーワールドへようこそっ! 第二章 【037】
「お、お兄ちゃん…………『男』がいるんだよっ?!」
「えっ? ああ……そっか、ハヤトッ! いや~あんまり、その、意識してなかったから、つい、ハハ……ごめん、ごめん」
「もうっ!?」
と、シーナがアイリにちょっとした説教をし、それにアイリが謝っている構図だった……が、
「ハハ……アイリは俺のこと、お……『男』としては見ていないん……だね」
「えっ? もう~……そりゃ、そうだよ~、だって、ハヤトは、あくまで『友達』だもん」
「そ、そうだよな……と、友達だもんな…………ハハ」
「そうそう、あくまで『友達』っ!……だよ~」
そ、そんなに強調しなくても良いんじゃないかな、アイリくん。
何と言うか、ちょっと寂しい気分になりましたよ…………男として。
俺って、前世でもモテなかったんだろうな~、きっと。
と、ブルーに落ち込んでいる俺に、
「お、お兄ちゃん、大丈夫?」
「シ、シーナ……」
シーナの察し能力が発動し、俺にそんな優しい言葉を妹キャラで投げかけてくれた。
「い、妹よ……お兄ちゃんは、その言葉、その気持ちだけで、すごく、うれしい…………」
「あんまり気にしちゃダメだよ! この世界(アナザーワールド)にだって、お兄ちゃんを好きになる『モノ好き』で『奇特な子』は、きっと…………きっといるからっ!? たぶんっ!? だから、頑張れっ!」
「…………」
むしろ、トドメを刺されました。
作品名:アナザーワールドへようこそっ! 第二章 【037】 作家名:mitsuzo