樹と少女
樹と少女の物語
雨に濡れてる月桂樹
その樹の根元に少女が一人
小枝の詰まったふくろを持って
雨を眺めてしゃがんでた
少女の持ってる小枝はすべて
きれいな きれいな 若枝で
枝の入ったふくろを持って
少女は静かに立ち上がる
湖の周りに杭の様に
その枝を刺して少女は歩く
枝は雨を吸い込んで
伸びてさらさら葉をつけた
少女が持ってた若枝の
最後の一本刺した頃
最初の枝はさらさらと
大樹になって葉を揺らす
少女が小さく回ったら
少女の背には葉っぱでできた
小さな羽がさらさらと
少女は空のふくろを持って
雨降る空に飛んでった
夜空に葉の音がさらさらと