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九宝 阿音清
九宝 阿音清
novelistID. 31190
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自分の心を食べられたなら

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自分の心を食べられたなら
自分の夢を食べてみよう
心にかかった虹を掬って
ひとかけら口に含んでみる
ふわふわの綿飴の味がするのかな

自分の心を食べられたなら
自分の悲しみを食べてみよう
涙雨を柄杓にくみ上げ
こくりと喉を小さく鳴らして
しょっぱい海の味がするのかな

自分の心を食べられたなら
はじける喜びを食べてみよう
ポップコーンの跳ねまわるステージで
踊りながらあたりを飛んで
甘いサクサクの触感に笑おう


心を食べつくしたぼくは
無力に佇みただ生きるだけ
外から声をかけられても
冷たい水面は凍りついたまま
水の消えるを待ち続ける


自分の心を食べられたなら
自分の心をじっと眺め
そっと笑って立ち去ろう