小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
日日土日月日土
日日土日月日土
novelistID. 51365
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

天才少女

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 


 ミヤタがアキに向きなおれば箱から覗く二つの眼球がじっとこちらを見ている。
『お前は余計なことを口にしすぎる』
 そう威張りながらミヤタに得意顔で助言をしたタカクラは、ミヤタが今から喉から出そうとしている、この言葉にも同じことを思うのだろうか。

「あなたはそれでいいのか。」

 初めは普通の子供だった。それから、ただ人より優れた能力を持ったために、このように生きながらえさせられている。
 まだ、頭の中身とほかの体がくっついていた時の不慮の事故。あれは本当に不慮の事故だったのか。しかし、アキが『どのような事故が起こり、意識不明になった』のか、この詳細はどの情報媒体にも載っていなかった。アキが行きつけの大学病院から薬品を持ち出した記録があるということをミヤタは同業者の噂ではあるが聞いたことがある。

 それが何を意味するのか、ミヤタは想像するしかできない。
『もう、どうしようもない。』
 そう帰ってきた返答は、そっけなく、冷たく言い放たれた。
 どうしようもない。確かにミヤタがここにきている時点でもうどうしようもないところまで、世の中は動いているのかもしれなかった。

『外は暑いですか。』

 アキからの質問にミヤタは、いいや、と一言否定した。



 ミヤタはカバンからボイスレコーダーとメモ帳を取り出し、表情の見せない少女に話しかけた。
「それでは、一週間後に一般販売される『脳保存機』についてのどう思われますか?」
作品名:天才少女 作家名:日日土日月日土