小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

逃走兄妹

INDEX|1ページ/1ページ|

 
繁華街の裏ゴミ捨て場の裏に男が一人、傷だらけで倒れていた
男はスマートフォンを少しだけいじりまた眠るように倒れた

〈動けない、迎えに来てくれ
場所は…〉
〈(現在地の地図の写真)〉
〈飲むものと何か食うものも頼む〉

勝手な人だなぁ…
私は携帯に届いたメッセージを確認するとベッドから抜け出して服を着る、お別れも一応言っとこうかな…
「お金ありがと、もう行くね
ホテル代もよろしくー」
「ちょっと待ってくれ、連絡先教えてくれないか?また会いたい」
「ごめんね、あまり一つの場所に長いこと居ないの、旅人だから」
あなたの声、気持ち悪くて好みじゃないしね

ゴミの腐った臭いが鼻につく、肌にまとわりつくような不快さと粘つく汗の感触、もう3日ほど風呂に入ってない、この辺りに銭湯はあったかな…
「お兄ちゃんまた喧嘩したの?
ダメだよおにーちゃん弱いんだから」
生意気そうな妹の声、完全にバカにされてるのは長年いれば流石にわかる
「うるさいな…ちょっと小突いただけでキレてきたんだから仕方ないだろ…それよりも何か買ってきてくれたか?こんな顔じゃコンビニもいけねぇ」
「おにぎりとコーヒーでいいよね
あと話逸らさないで、どうせまたスリに失敗したんでしょ、どっちかが警察捕まったら私たちの旅、もう終わりだよ?お金も昨日渡したばっかじゃん、ギャンブルやめてってのも何回も…」
またいつもの話が始まったので俺はおにぎりとコーヒー牛乳を適当に腹に入れる、次は風呂だな
「お兄ちゃんまだ死なないでよ、まだ私たち…」
「なぁ、いい加減病気になりそうだ、風呂行ってからゆっくり話そうぜ」
「いいよ!さっき行ってたホテル凄くお風呂綺麗だったからそこいこ!そんな顔じゃ銭湯も行けないよ!」

ものすごく…行きたくないな…
作品名:逃走兄妹 作家名:伊神片時