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夏経院萌華
夏経院萌華
novelistID. 50868
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魔王が死んだなら・・・第二回・・・

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夜更けも過ぎ、少し飲み過ぎたのかトイレに行きたくなり、目が覚めた。あいにく、この部屋にはトイレがない。仕方がないので用を足しに部屋を出た。薄暗い廊下を歩いていると、村人たちが明かりを灯し、起きていた。そして何やら、ひそひそと話していたので聞き耳を立てた。
「勇者様はもう寝たのかい」
「ああ。寝たようだ。あれだけ飲めば、ぐっすりだろうよ」
「しかし、困ったものだな。勇者って言っても、もう魔王死んでいるわけだし」
「それ言っちゃダメだよ。用無しなのはこっちだってわかっているんだからさ」
(なんてことを言いやがる。確かに用無しだよ。僕は!)
怒鳴り込んでやろうか。そう思ったが、僕は腐っても勇者だ。そこは我慢をし、聞き耳を立て続けた。
「まあ。あれだけのことをやってのけた人だ。そこは偉いと思う。だけどな。平和になった今・・・確かに・・・痛いよな。まあ、たんまりお金持ってるわけだしさ。ここは色々と仕事を依頼してさ。ご機嫌とって、このまま、ここに居てもらってお金使わせた方がいいわけだよ。その方がこの村にとってもいいことだしな。だからさ、引き続きみんなも協力して、勇者にお金を落としてもらおうよ」
「ああ。そうだな。それでいこう」
「その通りだ。いい金づるだと思えばいいわけだ。あはは」
(なんて奴らだ。これじゃ魔王より悪人じゃないか)
このままでは、お金を搾り取られる。そんなの我慢できない。
だから、その夜のうちに、ここを出る決意をした。気づかれぬよう、部屋に戻り、身支度をし、そのまま、逃げるようにこの村を出た。

 村を出て、1週間、僕は砂漠の中を歩いていた。着の身着のまま村を出たから、何の装備もなしで出てしまったのだ。
水や食糧はすぐに底をついた。喉はカラカラとなり、瀕死の状態だった。
意識朦朧の中、ユラユラと揺れるお城の姿が見えた時は嬉しかった。
どうにかして、お城に着くと、いつもならモンスターの襲来を恐れ、閉門している門も開いていて、すぐに入れた。
(なつかしい)
 ここにはよく来たものだ。王様とは周知の中。通行証を貰いに行ったり、無理難題の依頼をよく聞いたものだ・・・・。
良く考えれば、一回来たところなら瞬間移動魔法を使えばすぐだったのだ。
(ああ・・・なんて僕は馬鹿なのだ)
 落胆をする僕はうなだれた。だが今はそれどころではない。のどがカラカラなのだ。そしてお腹も空いている。あの角を曲がれば酒場だ。
僕は一直線にそこへ向かい、たらふく食べた。そして飲んだ。あまりの豪快ぶりに周囲のお客も口をポカンとあけてこっちを見ていた。まさか、勇者がこんなに食うのは見たことがないのだろう。いや、違う。この平和な世界に勇者など居ないのだ。大食漢で剣と盾を持った変なおじさんがたくさんのご飯を食べているのが珍しかったのだ。
 僕はナイフとフォークを置き、酒場を後にした。
腹も満たされ、今夜の宿を探した。だけどどこもいっぱいだ。
昔なら勇者一行と言うだけで優先的に泊めてもらっていたが、今ではどうだろう。
この平和な世界にとって勇者は存在してはいけないのだ。逆に迷惑なのだ。
だったら、このまま誰の目にもつかない場所でヒッソリと余生を送ることが賢明なように思えた。
(そうだこの場所に土地を買い、家を建てよう。金はたんまりある。そしてヒッソリと暮らそう)
さっそく、僕はこの土地で買うにはどうしたらいいか、人々に聞きまくった。隅々まで聞きまくった。なんか懐かしかった。こんなにも人と話したのは久々だった。
 どうにかこうにか、土地の買い方を学び、立地のいい場所を探し出し、そこに少し広めの庭付き一戸建てを立てた。