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アナザーワールドへようこそっ!  第二章  【031】

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 とは言っても、『ベッドが二段ベッドで、どっちが上で寝るか? 下で寝るか?』とかそういう話ではない。そもそも、同じ部屋とはいえ、ベッドは別々にちゃんと用意されているので何も問題はなかった。

 俺たちが話をした『部屋の使い方』とは…………俺がその部屋についている、いろんな『設備の使用方法』についての話という意味で、まあ、要するに、この部屋には俺が見たことのない『器具』とか『家具』とかがあったので、それについて『話をした』というよりは、『一通りレクチャーしてもらった』という感じかな。

 マルコは、そんな俺の質問にもていねいに教えてくれた。

 マジ、良い奴っ!


 とまあ、そんな話も一段落した頃、マルコが、

「まだお昼には少し早いですが、『食堂』に行ってみますか?」

 と提案。

「おおっ! いいね~。行こう、行こう」

 と即答で返答し、俺とマルコは部屋から出て、食堂へと向かった。


 食堂へと向かう最中、俺はマルコにこの学校(アカデミー)にいる『上級生』のことについて質問をした。

「なあ、マルコ……この学校(アカデミー)の『上級生』ってやっぱりすごい魔法士が多いのか?」
「はい、もちろん。だいたいこの学校(アカデミー)の『上級生』……取り分け『Aクラス』の卒業生は、ほとんどが『王立軍』ではなく、『各種の専門機関』へと就職しますから」
「『各種の専門機関』…………そう言えばアイリも言ってたな、優秀な生徒が行くようなところだって」
「はい。まあ、『Aクラス』以下の生徒でも基本優秀ですからね……『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』の全生徒の『専門機関』への就職率は『60%』くらいはあると思いますよ」
「そんなに……?! すごいな」
「はい。なので『王立中央魔法アカデミー(セントラル)』への入学は、多くの若者にとっては憧れの対象となっているのです」
「なるほど……」
「……まあ、その中でも、特に憧れの対象が、ハヤト様とシーナ様の『特別招待生』なんですけどね」

 と、マルコは横目でニヤニヤしながら、いやらしい目つきを俺に向けた。

「……コ、コホン」

 俺は、少々バツが悪くなり、咳払いをして一旦、間をおき、すぐに話題を変えることにした。


「そ、そう言えばさ、さっき、アイリから話を聞いたんだけど、本館の2階に『生徒会ルーム』てのがあるじゃない? あれって、ワンフロアまるごと『生徒会』が使っているって…………本当?」
「はい、本当です」
「や、やっぱり本当なんだ…………。それにしても、そんなに、ここの『生徒会』って力持ってるの?」
「はい、持ってます。ちなみに『生徒会』の影響力は、この学校(アカデミー)だけに留まらず、一般社会にも、ある程度は通じるほどの力を持ってます」
「ええっ!? そうなの? すごいな、生徒会」

 こりゃ、関わりあうのは絶対に避けよう。

 そんな俺とマルコがおしゃべりしながら、食堂の入口のほうまで来ると、


「おいっ! お前ら一年だな? ちょっと聞きたいことがあるんだが……」


 と、後ろから女の子の声に呼び止められた。

 俺とマルコは立ち止まり後ろを振り返ると、そこには、三人の男子生徒と、一人の女子生徒が立っていた。

 すると、その中の女子生徒が三人の男子生徒の前に出てきて、

「お前たち一年の中にいる『特別招待生』と話をしたいのだが、どこにいるか知らないか?」

 と、『仁王立ち』で聞いてきた。


 何だ、この人?

 何で、そんなに偉そうな態度なん………………うん? なんだ? あの左腕の腕章は?

 見ると、その女の子の左腕にある『赤色の腕章』には黒い文字で、


『生徒会長』


 と、クッキリ、ハッキリ記されていた。